今回はカウンセリングについてご紹介。事前の準備、夫婦で受診可能か、カウンセラーの選び方など、なかなか聞けないカウンセリングのあれこれをくわしくご紹介します。
プロの手を借りるのもアリ。
カウンセリングってどんなところ?
自分で悩みの原因や答えに
たどり着くまでを後押し
「悩んだとき、友人に愚痴を聞いてもらえば大丈夫という人がいますが、そのアドバイスは友人の主観や経験から語られるもの。一人一人、経験してきたことも悩みの背景も違うので、それが悩んでいる本人に合うかどうかはわかりません。かえって友人の言葉に苦しむ人もいます」
と話すのは、臨床心理士の本多公子さん。デリケートな心の問題を解決するには、専門的なテクニックが必要だと言います。
「目の前にある悩みがストレスの原因であるとは限らないからです。反抗期もなかったのに、アワエイジ世代になってから、親御さんとの関係が日常生活の問題と合わさって出てくるケースは、少なくありません」
プロのカウンセリングを受けると何が変わるのでしょうか?
「最初は愚痴をこぼすレベルだったとしても、本当は何に悩み、どこに問題点があるのかなど、さまざまなことに自分で気づくようになります。その気づきを得られるまで、一緒に伴走してサポートするのが、カウンセラーの役割です」
本多さんの
カウンセリングの流れ
どんな心理療法を行うかなどを見極めるための面談を2、3回行ったうえで、カウンセリングの間隔や回数、目標などを提案してくれます。1回50分¥12,000(税込み)。
アウラ心理教育センター
Q
カウンセリングを受けるとき、
準備は必要?
「悩みをノートに書いてきていただいてもかまわないですが、私の場合は、話したくなったことから始めていただくことを大事にしています。話すことを決めてきたのに違う話になる方もいて『私、これが言いたかったんですね』と気づく方もいます。事前の準備は必要ないので、どんな時間を過ごすのか楽しみに来ていただければと思います」
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Q
どうやってカウンセラーを
選べばいいですか?
「まず、自分が安心できる場所であるか、ということがとても大事。カウンセリングルームの雰囲気が落ち着かなかったり、カウンセラーに緊張感や威圧感を感じたりしたら安心して話せないですよね。また、カウンセリング以外に心理テストをしたりなど、心理療法の手法はさまざまなので、手がかりとなるホームページなどもチェック。何をするかきちんと説明してくれるところを選びましょう」
Q
夫婦でカウンセリングを
受けることは可能?
「私のところではカップルカウンセリングを行っています。最初から夫婦で来る方もいれば、途中から奥さんが夫を連れて来る場合もありますが、違う周波数で話しているご夫婦が多いですね。会話が嚙み合っていないから、家で話をしても真意が伝わらない。でも、夫婦一緒に来てもらえれば、私がチューナーの役割をして、お互いの言いたいことをわかりやすい言葉にして伝えることができます」
Q
私の悩み、大したこと
ないかもしれないし…
「カウンセラーは悩みの大小や先入観で判断したりしないので、誰かに話を聞いてほしいとか、愚痴をこぼしたい程度でもいいんです。生活上は何の問題もないけど、こんなふうに成長できたら、みたいなときも相談に来てほしいと思います。〝特別な人が行く特別な場所〞と構えず、健康診断を受けるような感覚で活用していただきたいですね」
イラスト/かたおか朋子 取材・原文/矢沢美香(STRIPE)