自分でもできる養生として、人気の「ツボ」押し。鍼灸師、深町公美子さんによるシリーズです。
心と体にきく、毎日のツボ
第1章 ツボ押しで元気!
自分の体にきく、お気に入りのツボを見つけよう
「ツボ」はひとつひとつが独立したものではなく、体全体を繫げるポイントとして存在しています。中継点のようなものだと思ってください。その「ツボ」は「気」の通り道である縦に流れる「経絡」のライン上に位置し、12とおりあると考えられていて、東洋医学の「気」「血」「水」が巡る大切な通り道です。
その流れはまるで血液循環のように規則正しく「肺経(ハイケイ)」から「肝経(カンケイ)」まで巡っていき、また最初の「肺経」に戻るといった具合。
そんな経絡の道にポイントとして「ここだよ!」と言わんばかりに存在するのがたくさんの「ツボ」なのです。また、そこは東洋医学で最も大事とされている「気」の発生する場でもあります。
体が不調を訴えるとき、現代医学でもそうですが、血液循環の滞りが生じていると考えられています。東洋医学ではその「気」「血」「水」の滞る場所が紛れもない「ツボ」なのです。そんな滞りを押すことで「気」「血」「水」の流れが正常になり、結果、体の不調が軽減されていくわけです。なのですぐきく「ツボ」もあればじわじわきくツボもあるわけです。
私たちがふだんからお気に入りを「ツボ」と言ってみたり、どうしてもはまってしまうことを「ツボにはまる」と言ったり、「ツボを得た」などとも使われることがあります。
なにげなく口にしている「ツボ」と同じように、体にきくたくさんのツボの中から、自分にとって良い「ツボ」、お気に入りの「ツボ」を見つけてください。
〈注〉表記したツボは数多くあるツボから選んだもので、体全体のツボを表したものではありません。
次回は、知っておきたい「経路」について、4回に分けてご紹介します。
構成・編集/U T U . h i m u k a イラスト/丸山裕子