自分でもできる養生として、人気の「ツボ」押し。鍼灸師、深町公美子さんによるシリーズです。
心と体にきく 毎日のツボ
第2章 生活習慣病にならないために
第2章では、具体的な症状別に効くツボについてご紹介していきます。
原因がはっきりわからないのに、肩の痛みや腕が上がらないといった症状のある「四十肩」。
今回は、この「四十肩」の症状を軽くするツボをご紹介します。
いわゆる「四十肩」とか「五十肩」といわれる肩の痛みは、正確には「肩関節周囲炎」といって、字のごとく肩関節が炎症をおこしているものです。これといった原因もなく、肩のまわりが痛み出し、腕を自由に動かせなくなったり、腕が上がらなくなったりします。
そうなると、髪の手入れができない、後ろのボタンが掛けられない、ひどい場合は夜中に痛んで眠れないなど、日常生活にも支障をきたし、ほんとうに不自由します。
このような腕から肩にかけての痛みは、筋肉の老化が原因ともいわれています。そうなる前に、日頃から腕を回したり、肩の上下運動をしたりして予防を心がけ、さらに痛み始めそうだったらツボ押しをしましょう。
「肩髃(ケングウ)」は、肩関節の痛みにきく特効穴(トッコウケツ)で、腕を真横に上げたときに肩の前にできるくぼみです。両肩にあるので、それぞれ10秒くらい親指で押し続けてゆっくり離す、これを2~3回続けてください。
肩関節の痛みに効くこのツボをゆっくり押します!
「肩髃(ケングウ)」
「肩髃」は、両肩の先端、腕を水平に上げたとき、肩と腕のつけ根のところにできるくぼみの部分にあります。
腕を上げて、ツボの位置が確認できたら、押すときは腕を下げて、反対側の手の親指で、10秒くらい押しては、ゆっくり離すのを、2〜3回続けます。反対側も同様に行います。
【もっとイイネ!】
日頃から腕を回したり、肩をおもいっきり上に上げてストンと下げるというような運動をすることで肩関節を動かすことをおすすめします。
次回は、「腕が上がらない」といった症状を改善するツボをご紹介します。
構成・編集/U T U . h i m u k a イラスト/丸山裕子