今回はマインドフルネスの基本、「座る瞑想」についてご紹介。手足の組み方から姿勢、呼吸、心の整え方まで、ひとつひとつの動作について詳しく解説します。
まずは基本のマインドフルネス。
座って呼吸を続ける「座る瞑想」
マインドフルネスの瞑想の基本が呼吸。まずは座って自分の呼吸に注意を向ける「座る瞑想」から始めてみましょう。
座って鼻呼吸をし、思考が
浮かんだら呼吸に意識を戻す
姿勢を整えて静かに座って瞑想するのが「座る瞑想」。
「座る瞑想は、姿勢を整えて、じっくり呼吸に意識を集中し、自然な呼吸を続けます。鼻から空気を吸って、鼻から出す鼻呼吸をしましょう。空気が鼻を通る感覚や、胸やお腹に入り、出て行く感覚に注意を向けます。
最初はたった30秒でも呼吸だけに意識を向けるのは難しいと感じると思います。どうしても別のことを考えてしまうと思いますが、別の思考の存在に気づいたらそれを確認して、すぐにまた呼吸に意識を戻せばいいのです。体の感覚にも集中してみましょう。これを繰り返すうちに集中力が増して心が安定し、マインドフルネスな状態に入れます」(長谷川洋介さん)
1.
坐禅の方法で手と足を組む
座布団やクッションを折ったり、坐禅や瞑想用の坐蒲を用意し、尾てい骨をのせて足を組みます。へそ下のあたりで右の手のひらの上に左の手のひらを重ね、親指と親指を触れるか触れないかのところで円を作るように合わせます。写真の足の組み方は安楽坐という、両足を下ろしたあぐらの形。半跏趺坐(はんかふざ)、結跏趺坐(けっかふざ)でもOK
●座布団や坐蒲(ざふ)を敷き、3点で体を支える
折りたたんだ座布団やクッション、坐蒲などに尾てい骨をのせ、両膝は床につけて、この3点でしっかり体を支えるように座ります。ヨガブロックなどでもOK
●手は膝の上に置いてもOK
左右の膝の上に手の甲を置き、手のひらを上に向ける形でもOK。右の写真の手は法界定印(ほっかいじょういん)という組み方。瞑想中に眠ったりすると親指が離れたりずれたりするので、親指をセンサーにして集中します
●半跏趺坐(はんかふざ)
あぐらの姿勢になり、左足を持ち、右ももの上にのせた形が半跏趺坐。右足を左ももの上にのせてもかまいません
●結跏趺坐(けっかふざ)
あぐらの姿勢になり、右足を持ち、左ももの上にのせ、かかとを下腹につけます。次に左足を持ち、右ももの上にのせ、かかとを下腹につけます。これが結跏趺坐という最も安定する形です
姿勢、呼吸、心の整え方については、次のページで。
2.
姿勢を整える(調身)
体を前後左右に振り子のように揺らします。はじめは大きく、徐々に小さく揺らし、真っすぐ安定して座れるポジションが決まったら止まります。姿勢が安定したら軽くあごを引き、両肩の力を抜き、手の位置を決め、おへその約5㎝下にある丹田という場所に力を入れます
3.
呼吸を整え(調息)、
次に心を整える(調心)
1mくらい先に視線を落としてまぶたを半分下ろし、口は軽く閉じます。次に鼻呼吸でゆっくりと呼吸を整えます。呼吸を観察し、呼吸が深まる感覚に集中。思考が浮かんだり、体に不快感を感じたりしたら、それを確認し、また呼吸に意識を戻します。一定の時間(時間は下記参照)がたったら終了
瞑想中は呼吸に集中し、思考が浮かんだらそれを受け止め、また呼吸に集中。思考の連鎖を防ぐには一歩引いて自分の思考を観察。次々とわく思考を観察すると思考が一過性のものと気づきます。これがマインドフルネスへの第一歩
タイマーを
瞑想中のPOINT セットして行おう
瞑想はタイマーをセットして行いましょう。初心者は15~20分から始めて、慣れてきたら30分、時間に余裕があるときは40~45分行って。時間があまりないときは5~10分でもOK。
次回は「歩く瞑想」についてご紹介します。
撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/木下 優(ロッセット) モデル/栗本奈央 スタイリスト/井川翔子
イラスト/内藤しなこ 取材・原文/和田美穂 撮影協力/アワビーズ