白川沿いに石畳が続く祇園新橋エリアは、舞妓さんや芸妓さんが崇敬する辰巳神社を中心に広がる京情緒あふれる場所。春は、桜が白川に枝を伸ばし、テレビによく登場する京都を代表する景観のひとつです。白川や石畳の道沿いには、料理店やバーなどが軒を連ね、夜になれば、窓からこぼれる灯りが艶やかで、京都の旅で1度は訪れたい場所といえます。
さて、その京を代表する景色の中心、辰巳神社のすぐそばに、2017年春に「祇園ふりふり」というしゃぶしゃぶと日本料理のお店がオープンしました。かつてここには、長らく高級料亭があったのです。趣ある個室などをそのままに、外の構えなどを改装し、なんとより気軽に京都の味が楽しめる店に新たに生まれ変わりました。
「え?辰巳神社のそばの料理屋さんじゃ、かなり値段が高そう…敷居が高い!」と、京都の友人たち。もちろん夜は、それなりのお値段ですが、実は、ランチは、なんと990円(税別)~で味わえるのです。しかも白川の桜や柳が見える個室でゆっくり過ごせるという、なんとも贅沢なランチです(一部、窓のない個室やカウンターもあります)。
いろいろな品が揃ったランチの中でおすすめは、牛タンの鉄板焼。「大将の厚切り牛タン鉄板」と「大将のネギ塩牛タン鉄板」各1800円(税別)です。メインの牛タンのほかに、小鉢の料理やサラダ、焼き野菜、赤だし、ご飯、デザートがセットされ、なかなか盛りだくさんの内容。食卓に置かれた陶板の上で、自分のペースで牛タンを焼いてゆきます。厚切り牛タンは、あらかじめ厨房で調理しているので、卓上では温めるという感じ。みじん切りのネギがのった牛タンは、卓上で火を通して味わいます。いずれも肉の美味しさが口に広がります。
脂がのった焼肉も魅力的ですが、牛タンは脂がなくヘルシー。あっさりした味わいが幅広い年齢層に人気だそう。
ゆったりとした個室で過ごすランチタイム。しかも窓の外には、柳と桜の緑が迫ります。秋が深まれば桜が色づき、向かい側の京町家との景色は、京都に住むものでも感激する美しさ。
いっしょにランチタイムを過ごした京生まれの友人は、「この場所で、こんなに気軽にランチが楽しめるって知らなかった~。美味しかった~。今度は、ぜひ家族といっしょに来たい~」と大満足の様子。私にとっては、東京から訪れた友人たちをランチに案内するには、絶好のお店。きっと感激してくれるはず…。
ひとりでの個室の利用も可能ですが、料理人の方を話せるカウンターもおすすめ。
「秋の紅葉と春の桜の時期には、絶対にまた来たいわね~」と友人。敷居が高そうなイメージの祇園白川で気軽にランチが楽しめる素敵な穴場です。
祇園ふりふり
京都市東山区新橋通大和大路東入ル元吉町67
☎075‐533‐8055
営業時間 昼11:30~14:30LO 夜17:30~21:30LO
無休
小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」