明治、大正期の歴史的建築物が、ハイカラの時代の京都を物語る三条通。その一つが、烏丸通から少し西に進むと大正9年に建てられた木造の洋館「文椿ビルヂング」が見えてきます。貿易会社の社屋として建設された、当時とてもモダンなビル。戦後間もなくはGHQの文化施設となったことも。それからさまざまな会社の社屋を経て、2004年にファッションやコスメ、雑貨などのショップが入る商業施設になりました。
その1階奥に今年オープンしたのが、日本では珍しいカトラリー専門店「京都匙亀(さじかめ)」です。
木製の扉、窓枠…まるでヨーロッパのショップに来たような感じで、洋館とカトラリーの組み合わせがとても自然なのです。
実は、このお店は、京都南区に本社を構える雑貨・キッチン用品の企画、制作および店舗運営をする会社のショップなのです。現代のライフスタイルにマッチする道具は、「食」を通じ、より楽しい暮らしへと誘う大切なツールと考えている社長の林田征之さん。
店内には、林田さんがセレクトした国内のメーカーや作家さんのさまざまなカトラリーが、ひとつひとつ手にとってその感触を実感できるように棚に並んでいます。その種類だけでも50を超え、さらにそのシリーズの中に、用途やサイズの異なるフォークやスプーンなどがズラリ。その洗練されたフォルムやモダンなデザインは、家にある30年前から使っているものとは、大きく異なり、ライフスタイルの変化を痛感します。
店にはフルセットで揃うカトラリーのシリーズも多く、それらは主にレストランやカフェなどのオーナーさんが求めるそう。プロの方々の間でも評判のお店なのです。
次ページに続きます。
お気に入りは、温もりあふれる木製のカトラリー。見ているだけで心がほっこりしてきます。スープやリゾットを食べるのにぴったり。
生活道具としては、小さなカトラリーですが、毎日のように使う頻度が高いもだからこそ、やっぱり心弾むものが欲しくなります。
セットで揃えなくて、気に入ったものを1本ずつ求めるのも楽しいかも。シュガースプーンなど旅の思い出にする人も多いのだとか。
私の場合は、まずは斬新な軽量スプーンから…。雪だるまかお団子のような形は、大匙と小匙の組み合わせ。なんとも愛らしい姿に調味料を測るのが楽しみになりそう。
ここ置かれたキッチン用具も、なかなか素敵。見るだけでも時間が経つのを忘れます。
インターネットのオンラインショップもありますが、ぜひ京都に来たとき、実際に触れて心地よい感触ものを見つけてはいかがでしょう。毎日の暮らしが、ちょっとトキメク・・・そんな品々が揃っています。
京都匙亀
京都市中京区御倉町79 文椿ビルヂング1F
☎075‐874‐4881
営業時間 12:00~19:00 水曜休み
小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」