雪解けの土の中から、こちらでは「ばっきゃ」「ばっけ」と言われる、ふきのとうが顔を出し、秋田にも春の匂いが漂ってきました。雪国の長い冬も、もうすぐ終わりです。
さて今回は、秋田駅近くで朝から長い用事があったので、お仕事はお休みをもらい、全て済ませてからちょっと寄り道おでかけ女史組をしてきました。
秋田駅から歩いて5分ほどの、秋田総合生活文化会館・秋田アトリオンビル内にある、秋田市立千秋美術館へ。3月25日まで展示の「絵画の温度」を鑑賞。
◎「絵画の温度」
大地に降り注ぐ日差しや吹き抜ける風、季節を感じる風景など、「あたたかさ」 や「冷たさ」といった、画面に漂う様々な温度に焦点をあて、モチーフや色の用 い方の違いにより変化する多様な洋画表現の世界。
入り口のオブジェも素敵です。
当然ながら、館内の写真撮影は禁止ですので、皆さんにお見せできないのが残念!なのでパンフレットと一緒に自撮り。
1920年代から2010年代の、 世代も時代も違う計40点が展示されています。秋田県出身の画家は18名、県外出身の画家5名です。
館内、入って左手の赤く力強い「地表」(高橋貢さん作品)に目を奪われ、しばらく鑑賞したあと、右手に向きを変えるとドーンと5mを超える油彩、伊藤隆さんという方の作品「原風景」が飛び込んできます。秋の枯れ草が一面に広がる、奥行きのある黄色い草原。郷愁、という言葉が浮かびます。懐かしさと共に、圧倒されました。
進んでいくと、「水境」(平沢淑子さん作品)という、深い深い夜空の色が水面に映ったような、水と空と月が重なったような、幻想的で吸い込まれそうな絵が。美しいの一言。
そして千秋美術館内には、東京からパリ、ニューヨークへ渡り、女性像で人気を得た岡田謙三氏の記念館があり、その常設展示場に並ぶ、色で遊んでいるような抽象画が目を惹きます。現在、展示Ⅳ期だそうで、Ⅳ期は5月20日まで。鑑賞記念に岡田謙三氏の一筆箋と、ポストカードを購入してきました。
岡田謙三氏(1902-82)は横浜出身。日本の伝統的な美意識に基づいたユーゲニズムといわれる独自の抽象表現 で、国際的に高く評価された作家です。
明治28年、秋田の米穀商に生まれた平野政吉(秋田県立美術館の常設展示物が平 野政吉コレクション)と親交が深かったレオナール・フジタ(藤田嗣治)と、岡田 謙三との間にも親交があり、そんないきさつがあったのだろうと思われますが、 秋田市制100周年と千秋美術館の開館を記念して、岡田氏の妻である、きみ夫人 からの寄贈などにより収集した作品を展示しています。
「絵画の温度」展、終了後は「ピカソ 版画をめぐる冒険」展、4月21日から6月3日まで。こちらもぜひ行ってみたい。
5時半過ぎ、外へ出ると辺りはすっかり暗くなっており、小腹も空いたので、少し歩いて「エリアなかいち」へ。1階のベーカリーで3種類のパンと抹茶のラテを。
クロワッサンは大きくてサクサクパリパリ、中心部がモッチリとして、初めて食感のクロワッサンでした。どれも美味しくいただき、駐車場へ向かう前に改装休業中の秋田県立美術館入り口で、4月6日まで休業というお知らせを確認。もうすぐ再開、来月からの展示が楽しみです。
ふと右手に目をやると、連絡通路がキラキラと輝いてます!
何度か通っていたのに気づきませんでした。こういうキラキラは、女性は好きですよね。私も、類に漏れず、です(笑)
◎「秋田アトリオン アトリオンビル」
http://www.atorion.co.jp/
◎「アトリオンビル内 千秋美術館」
http://www.city.akita.lg.jp/city/ed/ss/senshu-art/
◎「商業施設@4の3 エリアなかいち」