京都でおすすめのランチと言えば、ハンバーグやエビフライなどが一皿に盛られた洋食。「え~京都まで来たのに?」と思う人も多いかもしれませんが、地元の人にこれほど洋食が愛されている町は、きっと他にないのでは…と思うほど、町には、洋食店がいろいろ。
その中でも、呉服関係の店や会社が集まる室町通にある「グリル葵」は、味にうるさい地元の人が通う評判のお店なのです。
キッチン沿いのカウンター席とゆっくり過ごせるテーブル席の全30席。ランチタイムは、満席になり、ちょっと遅めに行くのがおすすめ。
さて、オーナーであるシェフの大野恍一郎さんが、洋食のお店をはじめて、すでに50余年。京都の老舗洋食店を経て独立、上賀茂と四条大宮に店を構え、十数年前に現在の室町通に店を開かれたそう。この店の開店時に、息子さんの晃靖さんも加わり、接客担当の奥様の瑛子さんと共に、今はまさに親子3人の阿吽の呼吸で、次々に作られる注文の品とフレンドリーな対応が、訪れるゲストを喜ばせています。
私が初めて訪れたのは、ランチタイム。まずは1100円の日替わりランチを味わうことに。この日は、ハンバーグ、エビフライ、エビクリームコロッケなど、3品がサラダと共にお皿に盛られたもの。
同行した友人は、有頭海老のフライやビフカツ、クリームコロッケがのったスペシャルランチ1450円を注文しました。
大きなお皿に盛られた洋食定番ともいえる品々にサラダも添えられ、さらにご飯とお味噌汁が付き、食欲をそそります。ハンバーグのデミグラスソースやフライにつくタルタルソースなど、本格的な味わいもいっそう料理を引き立て、満足度は満点。すでに京都在住8年、「もっと早く来ればよかった~」と思ってしまうほどです。
「いろいろな洋食店に行ったけれど、ここのフライはすごく軽やかで美味しいの」という友人の言葉にも納得。サクサクした食感のフライは、油の重さが感じられません。それには、このお店ならでは理由が…。「ランチに使ったオイルは、毎回交換し、常に新鮮なものを使っているんです。だからご高齢の方でも、胃にもたれず、召し上がっていただけます」と恍一郎さん。見せて頂いた透明な新しいオイルに比べ、ランチタイムが終わる頃のオイルは、薄らと色を帯びています。それを毎日、交換している店の姿勢に感服。「ここのフライなら食べられる」というご高齢のお客さまが多数通われているそう。
またランチのお味噌汁は、信州などの味噌を3種類合わせた奥行きのある美味しさ。「え~そこまでこだわった味なんですね~」と思わず、お替りしたくなります。
「ぜひ、ステーキも召し上ってください」と恍一郎さん。ここで使われる牛肉は、和牛のA5クラス級の極上の品のみという贅沢さ。
その牛肉が味わえるステーキも4000円からと、他ではありえない値段。その美味しさと価格から、2016年、2017年にミシュランの「ビブグルマン」という5000円以下で味わえる料理店の部門に輝いたのが頷けます。高級和牛はステーキのほか、タタキやビフカツでも堪能したいもの。
いつもランチタイムにお邪魔するのですが、ぜひディナーにも行かなくちゃ!メニューのバラエティも豊かなので、当分通わないと…。訪れるごとに、美味しさを心地よさに魅了されます。予約はディナータイムには可能。京都旅のリピーターに、おすすめのお店です。
【価格表示は、すべて税込】
グリル葵
京都市下京区室町通松原上る高辻町607-2 関ビル1階
☎075-353-6868
営業時間 ランチ11:30~13:30LO ディナー17:30~20:30LO 水曜休み
交通/地下鉄烏丸線「四条駅」より徒歩7分
小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/