令和の初正月は、干支の最初の狛ねずみへ初詣
「大豊神社」
京都の鹿ケ谷、哲学の道のそばにある「大豊(おおとよ)神社」は、令和最初の初詣で注目されている神社です。そもそも社伝によると、この神社の起こりは、社殿の背後にある、東山三十六峰の十五番目である椿ヶ峰をご神体とした山霊崇拝の社だったそう。仁和3年(887)に宇多天皇の勅願により、医薬を司る少彦名命(すくなびこなのみこと)をお祀りし、病気平癒を御祈願。以降、皇室公家の厚い信仰を集めた歴史ある神社です。
この神社が、初詣に注目されるのは、境内にねずみ年に通じる「狛ネズミ」が鎮座しているからです。この狛ねずみは、12年前にも多くの参拝者を集め、以来、「ねずみの社」として親しまれています。
「狛ネズミ」が鎮座するのは、末社の「大国社」で、ご祭神である大国主命が、窮地に陥ったときにねずみが助けたというお話に由来します。社の両脇には、阿吽の形の2匹の狛ネズミが、参拝者を迎えます。
口を開いた「阿」形のねずみは、学問を表す巻物を…
そして口を閉じた「吽」形のねずみは、豊穣や薬効を象徴する水玉を抱えています。
そもそも多産なねずみは、子宝および家運隆盛を示すものとして崇められる存在。よく打ち出の小槌にもねずみがいっしょにいる姿も見たことがあるはず…。家庭に福をもたらす神の使いです。
「ねずみの社」として知られる「大豊神社」には、ねずみをモチーフにした御守りや絵馬、またおみくじなどが種類豊富に揃い、1年通して寄り添ってくれるものばかり。
なかでも、狛ネズミを象った「大豊ペアねずみ土鈴」は、巻物と水玉を抱えた愛らしい姿。家に飾れば、福を招いてくれそうな予感が…。
また、御朱印にもこの神社らしくねずみが描かれています。御朱印ファンには見逃せないもの。
「大いなる豊かさをもたらす」という意味もある神社の名前。令和最初の初詣には、まさにふさわしい神社です。
京都でも珍しい狛ネズミの神社だけに、初詣は参拝者で混雑します。時間の余裕をもって出かけましょう。「平安神宮」から、狛うさぎのいる「岡崎神社」を経て、お詣りするのもおすすめの初詣コースです。
大豊神社
京都市左京区鹿ケ谷宮ノ前町官有地
☎075‐771‐1351
境内参拝自由
交通/地下鉄東西線「蹴上駅」徒歩20分、市バス「東天王町」徒歩10分、市バス「宮ノ前」徒歩7分
小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/