おうちで楽しむ、京の味と物
全国的な移動自粛が解除され、観光地はにぎわいを取り戻しつつありますが、都道府県をまたぐ移動にはまだ十分な配慮が求められますね。
「京都旅はまだしばらくお預け」と、慎重派のみなさんに、おうちにいながら京都気分に浸れる、『おうちで楽しむ 京の味と物』をご紹介。インターネットや電話などで、全国どこからでも注文できる品々です。
第14回
疫病退散を祈願する祇園祭の「厄除け粽」
「八坂神社」で郵送により授与
コロナの影響で、京都の夏の風物詩である「祇園祭」の山鉾巡行と神輿渡御(とぎょ)が中止になった今年。「祇園祭」で毎年授与される「粽(ちまき)」は、どうなるんだろう…と、危惧する声が多く上がりました。そもそも「祇園祭」の「粽」は、厄病や災難除けのお守りで、1年間、玄関先に祀るもの。京都の家や店の玄関に祀る、暮らしには欠かせない、大切なお守りなのです。
洛北の深泥池(みどろがいけ、みぞろがいけ)付近の農家の人たちが、山から笹を刈り取り、端午の節句で食べるような「粽」を作ります。それは、本来、中身はなく、笹の葉だけで作るもので、表には、「蘇民将来之子孫也」というお札が下がっています。この言葉は、「八坂神社」の主祭神である素戔嗚尊(すさのおのみこと)が、旅人に身をやつし、一夜の宿を求めたところ、裕福な巨旦将来(こたんしょうらい)は、断りますが、貧しい蘇民将来(そもんしょうらい)だけがもてなしたそう。帰る際に、「今後、蘇民の子孫は末代まで守ってやろう」と言い残し、姿を消されました。その後、疫病が蔓延…でも、蘇民の家だけ守られたそう。その故事に由来し、疫病退散を祈願する「祇園祭」では、そのお札を付けた「茅(ち)巻き=ちまき」が授与されるようになったのだとか。
今年は、世界的にコロナウイルスという疫病が蔓延。この「粽」を求める人はいっそう増えることが予想されます。でも残念ながら、今年は「祇園祭」で山鉾巡行が行われないと決まり、京都人だけでなく、毎年、「粽」を頂くことを楽しみに、京都を訪れる人にとっては気がかりなことになっていました。
でも、そんな人々の思いを受け、「祇園祭」を行う「八坂神社」では、今年は、「粽」の数も増やし、6月下旬からなくなるまで授与するとのことに…。
また今年は、やはり京都へ旅をしばらく控えようという人のために、ホームページ上で郵送の受付を発表しています。
さらに各山鉾町でも、独自の方法で「粽」の授与を行うとのことも伝えられています。
(詳しくは、それぞれの山鉾町にお聞きください)
郵送による「八坂神社」の「厄除け粽」の授与に関しては、ホームページにある発送申込書から…。
さまざまな注意事項もありますので、くれぐれも守ってください。
「八坂神社」で授与される「祇園祭」の「厄除け粽」を玄関の高いところに、お祀りして、コロナ退散を御祈願してはいかがでしょう。
八坂神社
京都市東山区祇園町北側625
☎075-561-6155
社務所対応時間:9:00~17:00
小原誉子のブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」