平安時代を想像させる雅な紅葉「平安神宮」の神苑
おでかけマイスター 京都部長に任命されました小原誉子です。
「いつか京都に暮らしてみたい…」そんな思いから始めた、東京育ちの私の京都暮し。毎日、心躍るものや人との出会いに、気づけば、もう4年目に。まだまだ見たい、知りたいことばかり…。みなさんに、もっと京都のおでかけを楽しんでいただきたい! そんな気持ちで、暮らしたから出会えた、ときめくもの、場所をご紹介していきますね。
さて、第1回のテーマは、待ち遠しい紅葉のお話…。舞台は、「平安神宮」です。「え~修学旅行生が行くとこでしょ?」と思われる方も多いかも…。確かに、「平安神宮」は、修学旅行生のメッカのひとつ。しかも明治28年に平安遷都1100年を記念して創建された、京都では、新しい神社です。多くの観光客は、白砂が敷かれた広々した境内を歩き、社殿で、ご祭神の平安京を築いた桓武天皇と、平安京に最後に住まわれた孝明天皇に参拝後、記念写真を撮影して、おしまい。でも、この神社のお楽しみは、それだけではありません。さぁ、本殿の西にある「神苑入口」へ。ここからが、「平安神宮」のときめきの始まりです。
約1万坪といわれる広大な「平安神宮」の神苑は、池を中心にした趣の異なる4つの庭園からできています。琵琶湖疏水から引かれた水がめぐる池の畔には、春には紅しだれ、花菖蒲、ツツジ、夏は水連、冬は梅など四季折々の花が…。入口から、南神苑、西神苑、中神苑と進み、いよいよ一番大きな東神苑へ。中神苑から、小川に沿って歩いていると、突然、目の前がパッと開け、広々とした栖鳳池が…。そして、池の向こうには、京都御所から移築された橋殿の『泰平閣』が、まるで水に浮かぶように姿を現します。それは、まさに平安時代のような「これぞ京都!」という景色。この神苑を作ったのは、明治の名造園家、七代目小川治兵衛。はるかに望む東山連山をも借景にした壮麗な世界は、何度見ても、ときめいてしまいます。
この平安時代を思わせる景色に、いっそう雅な趣を添えるのが、これから深まる秋の色とりどりの紅葉。池の周囲から「泰平閣」を眺めながら、橋の中へ歩みを進めます。池に渡る橋からは、周囲の紅葉を一望。赤や黄色の鮮やかな木々の色は鏡のような水面に映り、その美しさは2倍に…。時間が許す限り、じっとそこで時を過ごしたいもの。太陽の動きと共に、微妙に変化する秋色の景色。水面を渡る秋風の爽やかさ…。静寂の中に、時折聞こえる鳥の声…。日常を忘れる時間がそこに…。
訪れるなら、神苑の開苑直後か、夕暮れの閉苑近くがおすすめ。人も少なく、陽射しも柔らかで、池の景色がいっそう美しく感じられます。また「平安神宮」からは、紅葉の名所「永観堂」「真如堂」「南禅寺」も歩いてゆける距離。さらに周辺には美術館やギャラリー、またおしゃれなレストランやカフェも多く、疏水や白川沿いの散策もおすすめ。今年の京都の町中の紅葉は、11月中旬ごろからとの予想が…。毎年異なる京都の紅葉…さて、今年は…。
「平安神宮」http://www.heianjingu.or.jp
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
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