今年11月1日に、京都の町中、三条通からちょっと堺町通を北に進んだところにホテル「nol kyoto sanjo」がオープンしました。ここは、かつて日本酒造「キンシ正宗」の販売店だった町家で、しばらくレストランにもなっていたことがあるところです。その町家の歴史的面影を留めつつ、内部と改修、敷地の奥には、機能的なホテルが建てられたのです。
ホテルの運営を手掛けるのは「東急リゾーツ&ステイ」。東京を中心に全国に滞在型ホテルを展開、ここは京都で4軒めとなります。
「ここがホテル?」と思うほど、さりげなく白い暖簾にホテルの名。暖簾をくぐると、エントランスラウンジが広がります。京の町家の面影を留めた設えが、ゲストにとって旅情をそそるもの。
ラウンジの奥には、ウエルカムドリンクなどが楽しめるカウンターが…。
そこには、コーヒーなどのほか、ここが日本酒造の建物であったことを物語る名酒「キンシ正宗」などの日本酒も味わえるようになっています。
観光からもどって、部屋に戻る前、ちょっと寛ぎたい…そんな時間を大切にするホテルの心遣いがそこに…。
人や車の往来が盛んな町中の通り…。エントランスからホテルへの通路は、町の喧噪から安らぎの空間へと誘うアプローチ。ここを進むうちに、なぜか心が鎮まってくるよう…。
奥には、空が見える中庭が。町中とは思えない静かさがそこに…。
無機質になりがちなコンクリートの壁面は、木目を思わせる工夫が施され、自然の温かみを醸し出しています。ここに雪が降る景色も見てみたい…そんな想像が膨らみます。
全48室の客室は、2名の宿泊をベースに、3~4名の宿泊可能な客室も用意されています。
全客室には、ヒノキ風呂があり、旅の疲れをヒノキの香りに包まれて癒す至福のバスタイムが待っているのです。長湯の同室者がいても、洗面台がバスルームの外にあり、同伴者にとって使い勝手のいい設計は嬉しいこと。しかも、寝る時は、スライドドアで、その洗面台も見えない寝室になるのです。
畳のスペースに布団を敷いて、4名で宿泊できる客室も。
そこには、仕切りを上げると、盆栽が眺められ、ちょっとした露天風呂気分になれるヒノキ風呂が…。つい長湯をしたくなるお風呂です。
湯上りは、シンプルな部屋着でのんびり。これを着て、ラウンジまで行けるそう。
さて、東急ステイの特徴である滞在型ホテルならではの装備もご紹介しましょう。
全室に完備された洗濯乾燥機。
また部屋の大きさによってサイズは異なりますが、ミニキッチンもあり、電子レンジで温かい食べ物を楽しむこともできます。
長期滞在のゲストには、もちろん嬉しい設備ですが、たとえ1泊でも、まるで家にいるような安心感がある…という常連のゲストも多いそう。
町中であるため、部屋からの景色は望めませんが、障子越しにさす自然光が部屋に温かさをもたらします。
でも町中にあるホテルの利点は、なんといっても利便性の高さ。周囲には、ゲストが行ってみたい料理屋さんやカフェなどもいろいろ揃っています。例えば、三条通にある「イノダコーヒー」のモーニングは、ここに泊まったらぜひ行きたい~という方も多いのでは?
次々に開業する新しいホテル…ここホテル「nol kyoto sanjo」は、旅の疲れをそっと癒してくれるホテルです。
ホテル「nol kyoto sanjo」
京都市中京区大阪材木町700
☎075-223-0190
小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」