一陽来福(いちようらいふく)という言葉をご存じでしょうか。
冬が終わり春が来ることを指し、それが転じて「陰極まって一陽を生ずる」、ひいては「悪いことが続いた後で良い事がめぐって来ること」を意味する言葉です。
地球上のすべての人に驚くような”悪いこと”が降り注いだ2021年。来るべき新年は、言葉通り良い年にしたいものですね。
そんな「一陽来福」を願うお守りを授与していただける神社があることをご存じですか?
西早稲田にある穴八幡宮(あなはちまんぐう)では、冬至から節分までの間、「一陽来復」(こちらは福ではなく復の文字を使っています)のお札・お守りがいただけます。これらをその年の定められた恵方に向けて、冬至(12月21日)か大晦日(12月31日)、もしくは節分(2月2日)のぴったり深夜0時にお祀りすれば、新しい年のお金繰りが良くなるといわれています。昨今では、商売繁盛や金運上昇に霊験あらたかと大変人気があるそうですよ。
私もここ数年必ずお祀りしているのですが、確かに効果があったような・・・宝くじは当たってないけど(笑)いえいえ、気分だけでもこういう気持ちは大切ですから!
というわけで、今年は密を避け、冬至過ぎの年末の1日にお出かけしてきました。
地下鉄早稲田駅で地上に上がれば、少し歩くだけで赤い鳥居が見えてきます。すれ違う方々も手に小さな包みを持っている方も多く、同じようにお参りされてきたのかしら、とちょっぴり親近感を持ってしまいます。
参道入口です。
例年であれば、「冬至祭」として多くの露店が出ていてそれを冷やかすのも楽しいのですが、今年はそれは中止になったとのこと。残念ですが仕方ないですね。お札を授与いただけるだけで感謝です。
種明かしは記事後半で。
「ふく」の文字が違うことに注意!
お札をいただいたら、本堂でお参り。
多くの方が静かに手を合わせていらっしゃいました。
毎年すごい混雑なのですが、今年は皆さん気を配っていらっしゃるのかそこまでではありませんでした。
さて、この穴八幡の「一陽来復御守」はとても有名なのですが、実はもう一つ同様のお札を授与している場所があることは意外と知られていません。
その場所とは、穴八幡宮はお隣放生寺。こちらでも「一陽来福」のお札を授与されているのです。
私はいつもこの2つのお札をいただいて一緒にお祀りするようにしています。放生寺は「福」の文字を使っているので、なんとなく2つ並べれば「復」活して「福」が来る、のではないかと勝手に悦に入っています。
こちらのご本尊は聖観世音菩薩様。そのお姿が三十三身あるとされていて、三十三札所巡礼のきっかけになった観音様です。そのため、こちらではささやかな札所めぐりもできます。なお、ゴールは高野山!
茅の輪もありました。
こちらは恵方にむかって通るもので、8の字は描かないそうです。
神社仏閣へのお参りでさえ少しためらってしまうこのご時世ですが、来年こそは良い年になるように、密を避けて心静かにお参りに行ってみてはいかがでしょうか。
新しい年がみんなに幸せな一年になりますように!