いよいよ、2月14日(日)から今年2021年の大河ドラマが始まりましたね!
主人公は、2024年度上期から発行が始まる新1万円札の顔となる渋沢栄一。
今回、渋沢栄一のゆかりの煉瓦建築を見学してきました。
誠之堂(せいしどう)・清風亭(せいふうてい)
どちらも東京都世田谷区にあったものを平成11年(1999)に埼玉県深谷市に移築し、復元されました。
国指定重要文化財の誠之堂(せいしどう)は、 大正5年(1916)に渋沢栄一の喜寿(77歳)のお祝いに第一銀行行員たちの出資により建てられたレンガ造りの建物です。
誠之堂からも煙突と建物が見えるのが、日本煉瓦製造株式会社 旧煉瓦製造施設。このレンガも、日本煉瓦製造株式会社でつくられたものです。
以前、深谷駅の記事でご紹介しましたが、深谷には上質なレンガの生産に適した土があることから、レンガ生産が盛んに行われ、深谷市は、「機械式レンガ生産発祥の地」でもあります。
日本煉瓦製造株式会社の設立などに関わった「近代日本経済の父」である深谷市出身の実業家「渋沢栄一」。
ガイドさんに教えていただきました。
誠之堂(せいしどう)は、レンガ造りの平屋建て、外観は英国農家を模した西洋風の造り。室内外の装飾には中国、朝鮮、日本など東洋風の意匠が取り入れられ、それがバランスよくまとめられている建物です。
外壁にはあえて、色むらのあるレンガを規則的に凹凸をつけて積んであります。
縦に入っている線は、移築するときに切断して運んだ跡だとか。
渋沢栄一が「黒くなったり白っぽくなったりの色が悪い不良品のレンガ」を勿体ないという理由で使わせたという3種類の色合いのレンガ。それがかえって、装飾性と変化を与えてステキに見えますよね。
レンガを使った珍しい朝鮮風の装飾積みの「喜寿」の文字。
風見鶏は、西洋建築に由来するものだけど、方位盤は東・西・南・北で篆書体風になっていて、鶏は復元されたものだけど、方位盤は当初からのものだそうで何だか可愛いです。
中に入ってみても、とってもオシャレです。
大広間は、真っ白な曲面の天井が目を引きます。
円筒型のヴォールト天井は西洋風で、石膏レリーフにより雲・鶴・松葉の縁取り・寿の文字は朝鮮風。
暖炉上面には、正面を向いた渋沢栄一の肖像レリーフ。
暖炉脇の窓のステンドグラスのモチーフは、中国・漢の時代の「画像石」の人物群からとられたもので、乳白色のガラスは和の「障子」のイメージ。
ほかにも、建物の外側・内側、随所に喜寿のお祝いのおめでたい装飾がされていて、見所があります。
第一銀行の初代頭取でもあった渋沢栄一。
喜寿を機に頭取を辞任したけれど、行員たちから渋沢栄一が敬愛されていたのが伺える建物です。
お隣にある、埼玉県指定有形文化財の清風亭(せいふうてい)は、大正15年(1926)に第一銀行を継いだ頭取・佐々木勇之助の古希(70歳)のお祝いに第一銀行行員たちの出資により建てられた西洋造りの建物です。
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