おうちで楽しむ、京の味と物
京都では「まん延防止等重点措置」が適用されることになり、落ち着かない状況ですね。そんな今にぴったりな、自宅にいながら京都気分に浸れる、『おうちで楽しむ 京の味と物』をご紹介しています。インターネットや電話などで、全国どこからでも注文できます。
第34回
京の味を手軽に自宅で再現できる「京のだし醤油」
「澤井醤油本店」
「もろみ」と書かれた木製看板が、店の歴史を物語る「澤井醬油本店」。明治12年創業の醤油の老舗です。
店に並ぶ大きな木の桶、そして品々が並ぶ木枠の棚…まるで時間が止まったような感覚に…。
店の奥には、木の桶が並ぶ醸造場が続き、今も、昔ながらの道具を使い、口伝で店の味を伝え続けているのです。醸造過程で麹菌の微妙な加減が、醤油の味を決めるため、製造には多くの経験に培われた技が必須。その技は、人の手でしかできないものだそう。
京都の多くの料亭、そして家庭で、料理の味を支える「澤井醬油本店」の醤油。厳選した素材をもとに、手間と時間を掛けて作られた逸品です。
種類豊富な品々の中で、京都を訪れる人に近年人気なのが、「だし醤油」(500ml 670円)。
京料理用の淡口醤油をベースに、本みりん、かつお、さば、しいたけ、昆布などで作られただしを加えた風味豊かなもの。「これさえあれば、うどんやそば、煮物や汁物など、いろいろな料理が簡単に美味しく作れますよ」とお店の方。これで家庭でも、京都の味が再現できるのは、なんともありがたいこと。だしを取る手間がめんどうという人には、なにより重宝する逸品です。
また、ブリの照り焼きやぶっかけうどん、牛丼などにピッタリなのが、上品な甘さをもつ「京甘(うま)し醤油」(300ml 670円)。
これも、手間をかけたくない人のおうちごはんに便利な品。
さらに和食だけでなく、洋風料理の強い味方となるのが、「イタリアンもろみ」(90g 864円)。
バスサミコ酢やオリーブオイルなどを使った洋風もろみ。醤油づくりの老舗だけに、その味わいも奥深いものが…。野菜スティックやパスタなど、工夫次第でさまざまな料理の味わいをいっそう豊かにしてくれます。
さて、いつも気になるのが、醤油の保存方法。
「醤油は、やはり新鮮なものが風味も味も豊かですから、できるだけ小さな瓶をお求めいただき、短時間で使い切るのがいいのですが…。でも大きな瓶をお求めいただいた場合は、冷蔵庫で保管するのをおすすめします」とお店の方。よくやりがちのキッチンの下での保管は、温度が思っているより高くなる場合が多いため、避けるようにとのアドバイスを頂きました。
店には、いろいろな種類の醤油が気軽に楽しめる小瓶も揃っていて、訪れるたびに異なる品を買っている私です。これもお店に行く楽しみのひとつ…。
「本当は、お店にいらして、お品選びをして頂きたいんですけど…」とお店の方。でも、今京都旅を控えている方には、オンラインショップの利用がおすすめです。いつもの料理が、京都風の味にできる品々ですから…。
「京都御苑」の西に位置する店、伝統工芸の工房や美術館などが集まる上京エリアの散策の折に、暖簾をくぐる…そんな日を楽しみに…。
澤井醬油本店
京都市上京区中長者町通新町西入ル仲之町292
☎075-441-2204
営業時間 9:00~17:00(月~土曜)、10:30~15:30(日曜・祝日)
不定休
小原誉子のブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」