海外では、D.T.Suzukiとして知られる鈴木大拙さん(仏教哲学者)ですが、博士の考えなどを広く伝え、来館者が思索する場として2011年に開館した鈴木大拙館へいってきました。
なんと最近の報道によると、鈴木博士は、かつてノーベル平和賞の候補にもなっていたそうです。
建築家の谷口吉生(よしお)さん建築のこの鈴木大拙館は、水鏡の庭を中心にシンプルでかつ趣にあふれた建物です。
今回は、こちらで『朝・思索のすゝめ』と題して奇数月の最終日曜日に開催されているイベントに参加してきました。
今年の九月は残暑もあまり厳しくなく、拍子抜けな感じでしたが、月末になって少し残暑がぶり返すという不思議な気候でした。
そんな九月の爽やかな朝。
集合は7時15分。7時前には到着し大拙館の周りをうろうろと散策して時間を費やします。
寒くはないのですが、少しひんやりとした空気が漂っていました。
紅葉にはまだ早いですが、木々がしっとりとしています。
7時15分になり、開館されると受付をすませます。
今回は、蜻蛉編(あきつへん)と題され、
『秋涼なる朝のひとときを、どうぞ自由にお過ごしください』とのことです。
7時30分より学芸員さんの説明を受け、自由に時間を過ごすために場所を移動します。
この日は残念ながら、水鏡の庭の、装置に不具合があり、波紋をみることができませんでした。
下の写真は、昨年、ナイトミュージアムで鈴木大拙館を、訪れた時の波紋です。
思索の時間は40分。
わたしは水鏡の庭の前に置かれた椅子に座って時を過ごします。
鳥の声のさえずり、木々のゆらぎ。
ひんやりとした空気のながれ。
水にうつった木の葉のきらめき。
次第に青みを増す空のいろ。
鮮やかに変化する緑の木々。
誰かが歩く気配。
向こうの、建物で動く人影。
そして自分の吐息。
しーん。
とした空間の中にじぶんの耳のなかだけで
流れているキーンとした音。
なかなか『無』にはなれないけれど、
あれこれと頭のなかをさまざまな思いを巡らせて、思い思いの時間を過ごします。
『お時間がきました』
言葉は、はっきりと覚えていませんが、学芸員さんの声がきこえたときには
もう時間がきたの? という感じでした。8時20分ぐらいだったと思います。
まだまだそのまま時間を過ごしたかったぐらいです。あっというまに時間が過ぎていったような気がしました。
『時は金なり』
人生も半分を過ぎた私たちですが、
充実した時間の使い方をしたいものですね。
『わたしが無駄に過ごした一日は、あの人が生きたかった大切な一日』
日々、勉強です。
最後に、この日の夕方の『のと里山海道』の夕陽です。
金沢から能登の穴水まで、海沿いを進み山間部を縦断して走る道路です。
またそのうちにご紹介したいと思います。
◆鈴木大拙館
www.kanazawa-museum.jp/daisetz/
◆のと里山海道
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/nakanotopublic/notosatoyama/syokai.html