羽衣伝説といえば、知っている人も多い物語ではないでしょうか。
漁師が美しい衣を見つけ、持ち帰ろうとすると、天女がやってきて返してほしいと泣きます。かわいそうになった漁師は美しい舞と引き換えに返してあげると、天女は空に帰っていく、というものです。
ちなみに日本各地に同じような伝承があるのですが、なんとヨーロッパにもあるそうです。
そんな遠い他国はさておき、日本で羽衣伝説といえば、一番有名な場所は静岡の三保松原(三保の松原)ではないでしょうか。(松原=松がたくさん生えている野原や海岸沿いのこと)
「三保松原」は、静岡県静岡市にある三保半島にある7kmにもわたる松原です。真正面に富士山がどーんと見えることでも有名な景勝地で、左手には5万4千本の黒松が並び、右手は駿河湾というビジュアルは、「東海道名所図会」にも描かれたほどだといいます。
今回たまたま静岡方面に用事があったので、この素敵な松原を走ってみたいと思いついた私。せっかくなので一泊して、早朝ランを楽しんできました。
三保松原は大きく御穂神社まで続く約500mの「神の道」エリアと、羽衣の松を中心とした「海岸線」エリアに分かれています。まずは海岸線へゆるっと走りながら向かいます。
松原入口に到着。
この地図でいうと、左の地図になるのかな?
海岸線を下って折り返してくる想定です。
この松は御穂神社のご神体でもあるのだそう。御祭神が降臨される際のよりしろ(目印)とされているから、ここから御穂神社へと続く道が「神の道」と呼ばれているのですね。
羽衣の松からすぐに、御穂神社の離宮でもある「羽車神社」があります。とても小さなお社ですが、周囲にたくさんの石が積みあがっています。この周辺では白い線が入った石がたくさん見つかるらしく、それに願いを書いて納めると願いが叶うのだそうです。
海岸線を走っていくと確かに富士山が真正面に見えます。
でもちょっとかすんでいて残念。でも気持ちいい~
折り返し地点には小さな灯台がありました。
ここから来た道を戻ります。
スタート地点に到着!
次は神の道を通って御穂神社にお参りに。
このまっすぐな道が「神の道」。
とてもきれいで、大事にされていることがとてもよくわかります。
近所の方なのか、時折散歩をしているらしき方々とすれ違いました。
こちらが御穂神社。
境内入口の鳥居をくぐると、正面に舞殿があり、その後ろには拝殿が。垣に囲まれて本殿があり、多くの末社も祭られている堂々たるお社です。
ここには御宝物として羽衣の切れ端が所蔵されているというのですが、一度見てみたいものですね。また、願いをなんでも叶えてくれるという神馬(しんめ)もいらっしゃったり、なんだかすごくパワーを感じる場所でした。
1915年に全国投票で選ばれた日本新三景のひとつにも選定されている「三保松原」。確かにこれは人生一度は見てもいい風景だな、と思います。機会があれば、是非みなさまもおでかけしてみてくださいね。