OurAge世代のフェムゾーンお悩み連載。2回目は尿もれの基礎知識と、今すぐできる改善トレーニングを教えていただきます。
1回目の記事はこちら
関口由紀先生
女性医療クリニックLUNAグループ理事長。医学博士。日本泌尿器科学会専門医。人生100年時代の日本の中高年女性の骨盤底・血管・骨・筋肉の総合的な維持管理を提唱し、生涯にわたるヘルスケアを実践。閉経前の女性対象のクリニックと、閉経後の女性を対象にするクリニックを主宰。
「エイジド・フェムケア」とは、フェムケアのなかでも加齢による外陰部・腟の乾燥や骨盤底筋のゆるみによる尿トラブルなどをケアすることを指します。この先の人生を楽しむためにも、ぜひ、この「エイジド・フェムケア」に取り組んでほしい、と関口先生は言います。
■尿もれについて正しく理解
まずは尿もれについて、おさらいしましょう。前回、尿もれや頻尿は「誰にでも起こりえる」ことをお伝えしました。出産や更年期は尿道まわりをゆるめてしまうんですね。
理解を深めるために、尿が出る仕組みを知っておきましょう。
尿は腎臓でつくられ、膀胱に送られます。膀胱は300~500mlの量を貯めることができ、満タンに近づいてくると膀胱内圧が上がって内壁がグーンと伸長。この時に受容器(センサー)が刺激され、脳に「尿がたまったよ」と信号が送られます。
脳から「排尿せよ」という指令が出ると、尿道括約筋が緩み、尿が膀胱から尿道へ。そして膀胱の排尿筋が収縮し、排尿されるというメカニズムです。
「尿を貯めている際中は、尿道の筋肉がしっかり閉まっていれば蛇口が閉まっているわけなのでもれを防げます。通常はこの状態です。しかし、骨盤底筋がゆるんでいると蛇口の締まりがわるいのでちょろっと出てしまうわけです。腹圧性尿失禁はおなかに力を入れたときに、この蛇口があいてしまう状態。過活動膀胱は膀胱に少し尿がたまっただけでセンサーが反応してしまう症状です。原因は明らかにされていませんが、加齢による骨盤底のゆるみや神経因性のものと考えられます」(関口先生)
■「ちょいもれ」の原因は生活習慣に潜んでいることも
実は、加齢や更年期に起因する原因ばかりでなく、日常生活にもちょいもれを引き起こすリスクがあります。以下のチェックリストで心当たりがあればその習慣は控えるようにして、エイジド・フェムケアを始めましょう。
□1日に2ℓ(冬は1ℓ)以上、水分を飲んでいる
□寝る前に冷たい飲み物を飲む
□コーヒーや紅茶、緑茶などカフェインを含む飲み物をよく飲む
□柑橘系のジュース、炭酸飲料、アルコールをよく飲む
□普段から姿勢が悪い
□尿もれが不安で、尿意がないのに「一応トイレに行っておく」習慣がある
□冷え対策をしていない
「水分の摂り過ぎは頻尿の原因になりますが、飲むものにも気をつけましょう。カフェインや炭酸飲料・アルコールは、利尿作用もありますが、膀胱の直接刺激作用もあります。とくに、寝る前の冷たい飲み物は夜間頻尿の原因に。普段の姿勢も重要で、姿勢が悪いと骨盤底に負担がかかります。これも骨盤底をゆるめる原因に。そして、出先などで『この先トイレがないかもしれないから一応行っておこう』と尿意がないのに排尿するケースがあると思いますが、これも習慣にすると膀胱が少しの尿で『たまったセンサー』を出すようになってしまいます。どうしてもという時のみにしましょう。冷えも尿意を促進します。首、手首、足首をしっかり温めて」
■エイジド・フェムケアは何をすればよいか
関口先生が提唱するエイジド・フェムケアとは、フェムゾーンの保湿と骨盤底筋トレーニングの「2大ケア」です。
「外陰部は保湿クリームなどでケアしている人もいるかもしれませんが、腟の保湿はどうでしょう。女性ホルモンが減少すると腟が乾燥して弾力がなくなり、かゆみや性交痛、炎症が起きやすくなります。腟も入浴中と入浴後に保湿しましょう。まず、ボディソープで外陰部のひだをかき分けながら、やさしく洗います。タオルでやさしく水気をとり、ボディローションやフェムゾーン専用クリームを腟まわりと外陰部に塗ります」
さらに、血行を促進する「腟マッサージ」もおすすめなのだとか。こちらは3月31日(木)に開催予定のオンラインセミナーで、模型を使いながら教えていただきます。※オンラインセミナーの募集は終了いたしました。
「次に、骨盤底筋の『貯筋』ですね。筋肉は何歳になっても裏切りません。骨盤底筋のトレーニングはいくつもありますので、いつでもどこでも意識して日常に取り入れていただくといいですね。たとえば、電車の中で座っていても立っていても、腟と肛門をキュッと締め、グッと持ち上げる。座っているときは背筋を伸ばして膝と太ももをぴったりくっつける。これは骨盤底全体を強化します。歩くときは大股&速足で。骨盤底の筋肉を含むインナーマッスルや骨が強化できます」
フェムゾーンの保湿と骨盤底筋トレーニング。習慣にしたいですね。
■吸水パッドは積極的に。生理用ナプキンの代用はNG!
「吸水パッドをレジで購入するのに抵抗がある……」という人は少なくありません。そのため、生理用ナプキンで代用する人もいるようです。しかし、これはNG! と先生は警鐘を鳴らします。
「尿と血液は成分が異なります。生理用ナプキンはどろっとした経血を吸収するようにつくられており、尿もれに必要なのはサラッとした水分を閉じ込める吸水力。そして肌に逆戻りしないサラサラ感と、アンモニアの消臭力です。感染症予防のためにも、尿もれ対策には専用のシートを使いましょう」
とくに、スポーツをする際にはショーツタイプがおすすめだとか。
「思いっきり動ける爽快感は、メンタルにもよい影響を与えます。気持ちよく楽しく過ごす。これもエイジド・フェムケアの考え方の重要な一部です」
いかがでしたか。次回はオンラインセミナーレポートより、腟マッサージや骨盤底筋トレーニングのあれこれをお伝えします。ぜひセミナーにもご参加ください。※セミナーの募集は、終了いたしました。
★OurAgeでは、3月31日(木)に関口先生を迎えて「40代からのフェムケアsupported by ロリエ・リリーフ」オンラインセミナーを開催!300名様をご招待いたします!
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撮影/山田英博 イラスト/かくたりかこ 取材・文/島田ゆかり