寒い冬から、そろそろ春の兆しが見え始めた京都です。毎年恒例のJR東海の「そうだ 京都 行こう」のキャンペーン。今年は、町中の「平安神宮」の神苑が、ポスターに登場しています。「平安神宮」は、艶やかな紅しだれ桜の名所。枝にたわわに下がる花は、毎年、見惚れるほどの美しさです。紅しだれ桜の開花は、4月に入ってから…。それに先立ち、3月下旬には、京都の町を彩るのが、山桜とソメイヨシノ。
花見の名所は、京都には、数知れず…。さまざまな寺社仏閣で、見事な桜が楽しめます。京都暮らし4年の経験から、拝観時間を気にせず、いつでもタダで、桜が満喫できるところといえば、なんといっても、東山岡崎の琵琶湖疏水周辺のエリア。私が大好きな桜の名所なんです。
「平安神宮」の周辺の東山岡崎エリアには、桜がことのほか多いのです。
例えば、「南禅寺」のそばの蹴上のインクラインか始まる桜の並木は、水の流れにそって、町中へと、桜色が広がってゆきます。
琵琶湖疏水は、明治時代、京都の産業の活性化のため、琵琶湖から水を流した水路です。「平安神宮」の神苑の池の水も、琵琶湖疏水から入り、再び、疏水へと戻ります。その疏水は、「京都市動物園」、「京都市美術館」「京都国立近代美術館」「京都産業勧業館みやこめっせ」の南側を流れ、来年完成する「ロームシアターきょうと」(旧京都会館)の西側を経て、西へと流れ、やがて鴨川へと至ります。
その琵琶湖疏水の流れに沿うように、ソメイヨシノと山桜が、桜色の帯を広げるのです。
大きく育った桜は、枝を水面へとのびのび伸ばし、水映り込む桜と共に、いっそう華やかな景色に。
桜の開花時期には、琵琶湖疏水を遊覧する「十石舟」が運行され、木の下からのお花見が、楽しめ、その景色は、地上からは想像できぬ美しさ。また夜は、ライトアップされた桜並木が、艶やかに…。
さらに、「京都国立近代美術館」の南側から分かれる流れは、祇園へと通じる白川です。
その流れ沿いにも、大型マンションの庭からのびる桜の枝が、川沿いの遊歩道にかかり、まるで桜のアーチを通るよう…。上を見上げると、空は桜色に染まっています。
桜の枝越しに眺める京町家…。なんとも情緒あふれ、京都に来たことを実感させることでしょう。
昨年の桜は、開花がとても早く、4月になるころには、すっかり葉桜になっていました。さて、今年は、いったい…今から気になることですが、このままでいけば、昨年同様、3月中旬ごろから、咲き始めそうな気配です。
また、紅しだれが終わった4月中旬ごろ、毎年少し遅めに咲くしだれ桜が、「平安神宮」の南側の「岡崎公園」に…。丸く枝を傘のように伸ばした大きな桜は、なんとも誇らしげな姿です。
寺社仏閣では、お弁当を広げてお花見はできませんが、琵琶湖疏水周辺や岡崎公園では、ベンチもあり、のんびりお花見が楽しめます。周辺には、桜が見えるレストランやカフェも多く、桜の散策の途中のひと休みも…。
「お寺さんや神社にお金払って桜を見に行かんでも、町の桜で十分や~」と、京都の人たち。琵琶湖疏水周辺は、まさに時間を気にせず、思う存分、桜が楽しめる、おすすめのエリアです。
交通:地下鉄東西線「東山駅」から、徒歩2分で、白川の桜が始まります。四条河原町からは、市バス「5番」「46番」「200系統」が、近くを通っています。
小原誉子の京都の観光文化を伝えるブログ
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