第62回
「Patisserie AVECAMOUR(パティスリー アヴェカムール)」
京都の「下鴨神社」に続く下鴨本通沿いに、2021年11月にオープンした焼き菓子とケーキの「Patisserie AVECAMOUR(パティスリー アヴェカムール)」は、味にうるさい地元のマダムたちに評判の店。
主役であるケーキや焼き菓子の姿がより端正に見えるように、店内は、シンプルな設えに整えられています。地味になりがちの焼き菓子ですが、ここではそのこんがりとした色合いが、なんとも美しく感じられます。
ここのオーナーであるパティシエの高木繁さんは、長年、大阪や京都の有名ホテルで腕を振るい、2021年に多くのファンの要望に応えるように自らの店を開きました。
国内外のさまざまなコンテストで、優れた腕前は高く評価され、数々の賞を受賞。その味が、手軽に味わえる店は、多くのファン待望の場所で、今も全国から京都旅の目的のひとつに訪れるそう。
多くの人を魅了する味のポイントのひとつは、使用する材料。国内産の小麦、北海道産のバターとベースになる食材を厳選。また焼き菓子には、できるだけ精製した白砂糖の使用を控え、和三盆糖やサトウキビ糖など、天然の茶色の色合いがあるものを使っています。
「そうすることで、焼き菓子にいっそう温かみが出るんです」と高木さん。
穏やかな甘さが、焼き菓子の香ばしさをいっそう際立たせるようです。
マドレーヌやフィナンシェをはじめ、種類豊富な焼き菓子…訪れるたびに次々に味わいたくなります。
手土産にぴったりの透明なケースに入ったパウンドケーキやバームクーヘンにも、心惹かれます。
下鴨という土地を意識したオリジナルの「下鴨バターサンド」は、初めてここを訪れる人に人気の一品。芳醇なラムレーズンのバタークリームと香ばしいサブレの絶妙なハーモニーが口に広がり、幸せな気分に誘われます。
ガラスケースに並ぶケーキも、ぜひ味わいたいもの。
高木さんらしい余計なものを配した端正なフォルムには、味への自信が伺えます。
閉店近くには、ほとんどの品が売り切れに…。
予約したい場合は、電話での受付はしておらず、事前にお店を訪れ、ピックアップする日と時間を伝えます。
将来的には、オンラインショップの開設も検討中とのことですが、今のところは、店での販売のみ。
店内には、イートインスペースはありませんが、コーヒーなどのドリンクを注文できるので、焼き菓子などと共に購入し、近くの鴨川沿いで景色を眺めながら頂くのもおすすめです。
次は、どのケーキと焼き菓子を食べようかと、店の前を通るたびに足が止まってしまいます。
「Patisserie AVECAMOUR(パティスリー アヴェカムール)」
京都市左京区下鴨宮崎町121-1 電話なし
営業時間 11:00~18:00 土・日曜10:00~18:00
水・木曜休み
京都の文化・観光を伝えるブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」