名古屋で創業されてから80年以上も続く老舗で、最近は家に眠るお宝“香木”の鑑定でテレビ取材も。お店に一歩踏み入れるとホッとする懐かしいお香の香りに心がほぐされていくようです。
講師は“お香コンシェルジュ”の橋口先生です。お香のベースとなる香木についてまずはレクチャーを。香木は全部で3種あり、中でも写真の伽羅は生産地が限られ、特に稀少性が高いそう。伽羅は沈丁花の木に衝突などで偶発的にできた傷から始まります。傷を治そうと樹液が分泌され、微生物などを取り込みながら樹脂となり、更に時を経て独特の香りを放つようになったものです。伽羅となるまで100年以上の年月がかかる時もあるそう。
この日は幸運な事にたまたまお店に伽羅の樹皮があり、拝見させていただきました(在庫がない時もあるそうです)。伽羅の樹皮は高価で、目がチカチカするようなお値段でございましたーっ!お香が貴族の嗜み事であったことに大いに納得しました。
いよいよ、香り袋の制作へ。白檀、沈香と2種の香木をベースに桂皮(シナモン)、丁子(クローブ)、山奈(ウコン)や、極上安息(安息香樹)などを加えていきました。
少し甘めの香りにしたかったので丁子をプラス。お香をブレンドするときは空気を取り込むようにふわりと混ぜるのが良いそう。量や組み合わせ方などを先生がそばでわかりやすく説明してくれるので初めてでも好みの素敵な香りに仕上がりました。
たくさんの巾着袋から2つを選び、ブレンドしたお香を詰め、詰め、詰め…リボンを結んで、できあがりです。
香木やお香の材料となるものは酸・苦・甘・辛・しょっぱいのうちのどれかの香りを持っていてこれらを五味(ごみ)というのですが、薬膳でも食材を同じく五味に分けて考えます。例えば“辛”味を持っている食材は発汗を促すなど。香りでも体調や心を調えることが出来そうだな…と、奥深い新たな世界への扉を開けたようでワクワクした体験となりました。