上野から谷中へ
穴場のお花見寺めぐり(前編)
こんにちは、寺社部長の吉田さらさです。
桜の開花が待ち遠しい季節となりました。
今回は「東京でお花見がしたい」という友達をいつもお連れする、
とっておきの穴場コースをご案内いたします。
エリアは上野から谷中。でも、大混雑する上野公園には行かず、
お寺を見ながら最終的には日暮里まで歩きます。
全部歩かなくても、いくつかのお寺を見ていただくだけで、
十分満足していただけるかと思います。
では、上野駅公園口からスタート!
まずは、上野駅から東京国立博物館に向かう道の右手にある両大師堂。両大師とは、天海僧正と、天海僧正が深く信仰した慈恵大師(10世紀の延暦寺の僧)のことで、この二人が祀られているため、両大師といいます。駅から近いわりにはなかなか古寺っぽい雰囲気のあるところで、桜も各種あります。
両大師堂
http://www.city.taito.lg.jp/index/kitemite/abouttaito/kanko/shiseki/uenokouen/ryodaishi.html
次は上野高校の裏手あたりにひっそりと佇む護国院。谷中の七福神巡りのコースで、少しわき道にそれるので見逃しがちですが、実はここの本堂は18世紀前半に建てられた、見事な江戸建築です。お堂内部に入ってお参りすることもでき、本尊の大黒天像など立派な仏像も拝めます。桜と古い建物がまるで京都の隠れ寺のような風情を醸し出します。
護国院
http://www.tendaitokyo.jp/jiinmei/gokokuin/
続くお寺は徳川家の菩提寺であった寛永寺。かつては上野公園全体が寛永寺でしたが、今は、不忍池方面の清水観音堂や上野東照宮など、残っている建物のいくつかとこちらにある本堂を総称して寛永寺と呼びます。この本堂は、川越にある喜多院というお寺のお堂を、明治時代に移築したもので、17世紀前半の風格ある建物です。威風堂々とした建物に似合う素敵な桜の木もあります。
寛永寺
http://www.city.taito.lg.jp/index/kitemite/abouttaito/kanko/shiseki/uenokouen/kaneiji.html
その寛永寺のはす向かいあたりに、見渡す限り石の地蔵が並ぶ浄名院があります。ここは、徳川四代将軍家綱さんのお母さんの菩提寺として建てられました。たくさんのお地蔵さんは、民衆の救済のために、明治初期から建立されはじめたもので、今も増え続けています。全部で八万四千体あると言うけど、本当かな?
浄名院
http://www.city.taito.lg.jp/index/kitemite/abouttaito/kanko/shiseki/yanaka/jyoumyouin.html
まだまだ元気という方は、広大な谷中霊園を歩いてみてください。夜のお花見の場所取りのための青いシートが目につきますが、日のあるうちは、まだ人は少なめ。墓地で大宴会というのも、よく考えるとちょっと不思議。これも日本ならではの光景ではないかと思います。
谷中霊園
http://www.tokyo-park.or.jp/reien/park/index073.html
霊園内を少し歩いたところに天王寺というお寺があります。これは、かつて谷中一帯で一番大きかった寺で、昔は感応寺という別の名前でした。立派な五重塔もありました。江戸を代表する塔として有名で、 幸田露伴「五重塔」のモデルともなりましたが、昭和三十二年に、男女の心中からおきた火事で燃えてしまい、今は墓地脇の公園の中に礎石だけが残っています。建物は多くが近代的で、モダンなお寺。
天王寺
http://www.tendaitokyo.jp/jiinmei/tennoji/
後編はでは 霊園を出て、少し谷中の町をぶらぶらしてみましょう。
吉田さらさ
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