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66歳で起業した母のこと。人生は思ったより長く、そして自由!

かりぃ【おでかけ女史組PLUS】

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沖縄県

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こんにちは。かりぃです。
今回は、私の母の話を少しだけ。

 

「専業主婦から66歳で起業、78歳の今も現役社長」と聞いて「元気をもらった」と言ってくれる人も多いので、身内話というより「OurAge世代のこれからは、こんな展開もアリかも」というお話です。

 

母の前半人生

若い頃は、茶道と華道の修行にはげみ師範の免状もいただいた母。でも結婚後は、サラリーマンの父と3人の子どもを支える専業主婦に。父の仕事で海外に赴任していた時期は、いわゆる“駐妻ライフ”を満喫し、帰国。子育てがひと段落すると退屈になり40代で初のパート。デパ地下のお惣菜売り場でしたが、初めての仕事にウキウキした様子だったのを覚えています。その後、介護資格をとって両親も見送リました。

駐在時代、日本人会茶道部の皆さんと

 

すべては「モリンガ」との出会いから

ちょうどその頃、私は1歳の娘を連れて沖縄に移住。仕事は忙しいのに保育園が決まらず母にSOS!!  結局、母は3ヶ月ほど沖縄に滞在してくれて。連日、娘をバギーにのせて市場や公園へ出かけていたのですが、ある日「モリンガ」という植物に出会います。「体にいい」と勧められて買ってきたそのモリンガ茶を、母とふたりで飲んでみたものの…もともと健康だった私たちには、正直ピンと来ず(笑)けれど東京の友人たちにお土産として渡すと「これすごくいい!」と大好評。お礼や感謝の声が次々届き、母の心に火がつきました。「これでみんなを元気にできる!」──そう信じた母は、ちょうど満期になった保険金100万円を手に「これで会社をつくる!」と宣言。
66歳での挑戦が始まりました。

これが「モリンガ」。栄養価がとても高くスーパーフードと呼ばれることも。最近では日本でも、いろいろなモリンガ商品を見かけるようになったので、気になる方は調べてみてくださいね。

父には内緒で…会社設立!?

堅実な父に相談すれば、きっと全力で止められる。
そう悟った母は、なんと父の海外出張中に会社を登記(笑)

 

「お父さん、出張に行ってる間に会社つくるから!東京に来て!」と沖縄にいた私も呼び出され、母の情熱に押されて“共犯者”に。ネットで調べながら登記書類を作り、法務局へ提出。あっけないほどスムーズに株式会社設立が完了しました。

 

帰国した父に名刺を差し出す母。穏やかな性分の父は混乱気味の笑顔で「株式会社っていうのはね…登記をしないと名乗れないんだよ」と諭し始めます。「ジャジャーン!!」と得意げに登記簿謄本を掲げる母。あの時の父の顔!!  驚きすぎた父が絞り出すように発したひと言は「……借金だけはしないように」。そして長年家族のために頑張ってきたサラリーマンの父に向かって母は言い放ったのです。「お父さん、社長になったことないでしょう?私、社長よ!」と(涙)

 

こうして母の会社が誕生しました。

いつも穏やかな父。今では忙しすぎる母の体調を気遣いながら、応援してくれています。

 

「熱意」が運んでくれるご縁の連鎖

気づけば、あれから13年。
母の会社はいま、年商3,000万円にまで育ちました。

 

最初は、熱意だけで始まった小さな挑戦。でもこの「熱意」というのは、侮れないもので、まるで磁石のように、次々と良いご縁を引き寄せてくれる。モリンガを栽培してくれる農家さん、製品化してくれる工場の方々、そしてお客様……。ありがたいつながりが広がっていきました。

 

実店舗は持たず、マルシェ出店とオンライン販売、卸販売のみ。13年間、真夏も真冬も毎週マルシェに出店し、78歳になった今も自ら店頭に立つ母。父との約束どおり借入はせず、コツコツと歩みを続けているので規模は決して大きくないけれど、専業主婦が60代半ばで始めた会社としては、上出来かも。

 

「66歳スタート」でここまで来た母を見ているとOurAge世代の私たちなんて、まだまだ“これから”何だって始められる気がしませんか?

沖縄の契約農家さんたちと

マルシェにて親子3代

 

母を見ていて感じる成功のコツ

  • 「私には無理」と思わない
    「だって、みんなやってるんでしょ?私だってできるわよ!」
    たとえその “みんな” が若者だったとしても気にしない。

この“根拠なき自信”こそ、母の原動力。

 

  • アドバイスはすぐ実践
    良い話を聞いたら即行動。するとアドバイスをくれた人も喜んで、さらなるサポートが。このスピード感と行動力が、人とのご縁を次々繋げていくみたい。

 

  • 本気で相手を想う
    迷っている人には売らない。
    「あなたが後悔しないように」と一旦帰してしまうのです。
    でも不思議なことに、そんなお客様ほど後日戻ってくるのです。

 

  • 素直に甘える
    「歳をとるっていいわよ〜!みーんな優しいんだから」
    人の親切を喜んで受けとって感謝する。これも大事みたい。

 

  • みんなを“家族”にしてしまう

誰でもすぐ「それじゃ、あなた私の妹だわ」「あなたは息子ね!」「孫よ!」「みんなついてきなさい!」と笑顔で接する母。気付けば、私にも親戚がいっぱい(笑)

 

  • とことん正直
    もともと嘘やずるいことが大嫌いな母。商品づくりや商売で正直なのは当然として、お客様にも思ったことをそのまま伝えるので時にハラハラ。でも、それがかえって信頼されるのか、人生相談に来る人が後を絶たない。

 

辛口なのに愛されるのも年の功?

ある時、社会人1年目の若い子が母に相談に来ました。
「今の会社が合わないんです。もっと自分に合う仕事を探したくて…」

 

それを聞いた母。

 

「そんな仕事なんてないわよ!世界中どこを探したって、あなたに合わせてくれる会社なんてないの。まずは一人前になるまで、今の仕事を一生懸命やってみなさい」

 

別の日には、こんな質問も。

「おばちゃん、どうしたらみんなに好かれるの?」

母、即答。

「あなたね、よく考えてみなさい。嫌われてるほうがよっぽど気が楽よ?変に好かれて期待されてごらんなさい。あぁ面倒!」

マルシェにて 母を慕ってくれる“孫たち”と共に。

「私の元気の半分はモリンガのおかげ。半分は出会いのおかげ!」だそう。

 

こんな辛口なのに、母のまわりは常に笑いの渦。たくさんの人が母に会いに来てくれて、毎週のようにSNSやメールで母へのファンレターや感謝のメッセージが届く。

 

「励まされたおかげで本を出版できました」

「おかげさまで就職できました」

「おばちゃんのおかげで、結婚できました」

 

いやいや、パワースポットじゃないんだから(笑)

当の本人も励ました自覚なく「そうだったかしら?」と笑っています。

でも78歳でこんな人生ってなかなか良いなと、娘ながらに思うのです。

 

60代、70代、その先──

人生は思ったより長く、そして自由らしい。

皆さんは、これから何をしたいですか?

私もいろいろ思案中。

まずは健康第一!元気に人生後半も楽しみましょうね♪

かりぃ【おでかけ女史組PLUS】
かりぃ【おでかけ女史組PLUS】さん
主婦・自営業・自由業
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沖縄県 東京生まれ。インド育ち。メキシコ暮らし・沖縄暮らしを経て、2025年6月よりマレーシア在住。夫と中学生の娘との3人暮らし。おいしいもの・旅・美容・健康に強い関心あり。度々自宅で開く宴会が元気の源。ペンネーム「かりぃ」は沖縄語で「乾杯!」。スーパーフード「モリンガ」商品製造販会社経営、NPO活動、翻訳・ライターなど数足の“わらじ”を履いて奔走中。人生で出会った魅力的な人、場所、味、面白い出来事、お届けします♪

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