東京・北区にある旧古河庭園の「春のバラフェスティバル」に行ってきました。
JR京浜東北線・上中里駅より徒歩7分、山手線・駒込駅より徒歩12分に位置するこの都立庭園は歴史・文化・自然を兼ね備えた国指定名勝となっています。
門をくぐって歩み進むと(入園料150円)レンガ造りが瀟洒な洋館がお出迎え。 建物内の見学は往復ハガキによる事前申込みが必要とのことで、この日は庭園散策を楽しみました。
英国貴族の邸宅にならって設計された空間は、まるでヨーロッパにやってきたような雰囲気。 設計者はジョサイア・コンドルさんという英国人建築家。鹿鳴館、ニコライ堂などを手がけた方だそう。 全体像を眺めたあとは、大輪のバラ達に近寄って形と香りを堪能します。
たくさんの品種が咲き誇る中でも、いま見頃を迎えていたものをいくつかご紹介しますね。
写真左上:ゴールデンメダイヨン(ドイツ) 淡いレモンイエロー色。色も形も優しい印象です。 写真右上:スーパースター(ドイツ) 色も形も華やかで、これぞ薔薇という雰囲気。 写真左下:朝雲(日本) 開花につれ花色が変化。花弁が多いため、見事なグラデーションですね。 写真右下:左側がレディメイアン(フランス)右側がローズヨコハマ(日本) 他の品種と同じような色にも見えますが、花弁の形や香りがそれぞれ違うのです。
写真左上:アンジェラ(ドイツ) 重なり合って咲く様子がとても可愛らしい。 写真右上:スブニール ド アンネ フランク(ベルギー) バラが好きだったアンネ・フランクを偲んで名づけられたという説明を読んで、平和を願わずにいられませんでした。 写真左下:サハラ’98(ドイツ) 開花につれオレンジからピンクに色が変化している途中。 写真右下:ブルーリバー(ドイツ) 青というよりラベンダー色。姿も香りも上品です。
どのバラも至近距離で愛でることができるので、鼻を近づけて香りを確かめながら回ります。
こちらの白いバラはプリンセス オブ ウェールズ(イギリス)。 故ダイアナ元妃の英国難病基金の活動に対し、英国女王が名付けることを許可したもの。苗木の売上の一部が英国肺病基金に寄付されているそうです。 気品ある姿が故ダイアナ元妃のイメージそのものですね。
洋館の1階には喫茶室があるのですが、バラフェスティバル期間中は大混雑。 この時期ならではの紅茶ローズペコーに惹かれる気持ちを抑えて、日本庭園へ進みました。
洋風庭園の賑わいから一転、静かで深い緑。心が落ち着きます。 中心にあるのは「心」の草書体を形取ったという心字池。 雪見灯篭の佇まいと奥から聞こえてくる滝の音。紅葉が色づく季節を想像して、うっとりしました。
日本庭園の池のほとりといえば茶室ですよね(笑) 離れのような素敵な佇まいを目の前にしたら、入らずにはいられません。 お茶券(500円)を購入し、履物を脱いで座敷に上がります。 靴を脱がずに一服できるベンチ席もありました。
風情たっぷりの環境でいただく抹茶と砂糖菓子は格別。 日常生活では正座することのない夫も姿勢を正し、心地よい緊張感を楽しんでいました。
旧古河庭園「春のバラフェスティバル」は6月7日まで開催。 遅咲きのバラは6月いっぱいまで楽しめるそうです。
■旧古河庭園