地元で愛され続ける、中国菜「燕燕(エンエン)」
京都と言えば日本料理…でも、地元の人たちが気軽に楽しむ料理は、ほかにもいろいろ…。特に、近年、「美味しくて、レベルが高い!」と評判なのが、中華料理です。京都で中華…?と思う人も多いでしょうが、実は、京都では、ラーメン、餃子などを含む中華料理店の数が、全国的にみても、多いと言われているのです。「餃子の王将」やラーメンの「天下一品」など、全国展開するチェーン店も、いずれも京都生まれです。
さて、私の知る京都人のほとんどは、外食好き。家族や友人たちと、ことあるごとに、どこかに食べに行きます。そんな時、よく選ばれるのが中華料理。それぞれの町に自慢の中華料理店があり、子供の頃から、自分の贔屓のお店があるのだとか…。
御所の北側、今出川通と寺町の交差点の近くにある「中国料理店 燕燕(エンエン)」も、味にうるさい地元の人たちに愛され続けるお店のひとつです。
オープンして、すでに12年めを迎える店のオーナー中野賢二さんは、東京の大学でフランス語を専攻。その後、フランスに渡り、その地で、日本文化の素晴らしさを再確認、子供の頃から、ものづくりが好きだったことから、帰国後、陶芸を学びに伊賀へ。修業の後、独立し、そこで窯を構える陶芸作家になったという経歴の持ち主。
陶芸作家として活躍していたころ、中国人の料理人との出会いがこの店を開くきっかけに…。今出川通沿いに建つ古家を改装したという店内は、中野さんのアーティストらしい美意識が感じられる洒落た雰囲気。自らも改装作業に取り組んだとか。中国料理店というより、カフェを思わせるお店です。
ここの料理は、本場中国各地で愛される料理。中国人の料理人が作った品の中で、中野さんが日本人の好みに合うと思う料理がメニューに採用され、今や、その種類は、なんと100種類以上。「へぇ~こんな美味しい品があったんだ~」と、訪れる人は、今まで食べたことがない中華料理の品々に感激。幅広い年齢層を満足させる種類豊富な料理の数々が、なんといっても、この店の魅力です。
たとえば「プチトマトの台湾風甘酢」や「千切り干し豆腐のあえもの」など、冷菜は、夏の衰えた食欲をそそります。またジューシーな肉汁がこぼれるカリカリの餃子やプリプリのエビのチリソースなども、ここならではの美味しさにあふれた評判の一品。どちらもここに来たら、必ず注文するという人が多い、人気の品々。
ひとりでふらりと行って楽しむランチは、850円。ランチメニューの中から選んだ1品と、スープ、小皿、デザートなどがセットになり、お得感もいっぱい。毎日でも行きたくなる味です。
夜は、友人たちなどと種類豊富なメニューから選びます。料理だけなら、3人で、ひとり3000円もあれば十分。3000円からのコースメニューもありますが、アラカルトで選んでも、どれも手ごろな価格なので、むしろ、こちらがおすすめ。
また、オーナーが厳選した中国茶の種類も多く、料理に合うものをアドバイスしてくれるのも嬉しいこと。
地元の友人たちに紹介したところ、すっかり贔屓になってしまったお店です。
京都に来たら、ぜひ…。料理の美味しさ、店内の雰囲気の心地よさ…だれと訪れても、素敵なひとときが過ごせる、おすすめの一店です。
中国菜 燕燕(エンエン)
京都市上京区今出川通寺町西入ル大原口町211
☎075-222-1489
入店時間:ランチ11:30~14:00 夜 18:00~21:30
木曜、第3水曜休み
京阪電車「出町柳駅」から徒歩10分
夜は、予約をおすすめ
小原誉子の京都の観光文化を伝えるブログ
「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」