今年3月に開通した北陸新幹線に乗って東京にいってきました。 お盆ちょっと前ながら、すでに駅は大きな荷物を携えた家族連れでいっぱい。 思い起こせば約一年前、金沢駅に初入線した新幹線の車体をみてから、この日まであっと言う間でした。
あの日、動かなかった案内表示版も刻々とかわっていきます。(当たり前ですけど…)
静かに出発した車体に大きな揺れは無く、金沢市内を抜ける手前頃にはグゥーンとスピードアップしました。
座席はABCDE。金沢発の場合、A席だと日本海側。E席だと立山側です。この日は残念ながら青空にくっきり浮ぶ立山はみれませんでした。
『かがやき』に乗ると東京まで2時間半。金沢から特急サンダーバードで大阪へ行く時間で東京に着いてしまいます。ほんとうに近くなりました。
さてさて、今回はこどもの用事での上京でしたが、空いてる時間に美術館をまわりました。東京では朝から豪雨が降ったらしく、気温は少し下がったようですが、逆に蒸し暑さ倍増の日でした。
まずは、東京都庭園美術館。 『アール・デコの邸宅美術館 』をみてきました。
こちらの美術館は1933年に朝香宮家本邸として竣工された建物です。アール・デコの様式をふんだんに取り入れた邸宅は、のちに、吉田茂首相公邸として使用されたり、国賓のための迎賓館として使われていたこともあるそうです。
アール・デコ様式を取り入れた邸宅は、全体的にシンプルかつモダンです。その歴史ある空間にコレクターの方々の秘蔵品の調度品や家具が展示してあります。 モダンな装飾の中での宮様ご家族の暮らしが垣間見れて、時間の流れがゆったりとした気分になりました。
照明ひとつとっても、それぞれがオシャレで印象的でした。
いつもは、内部の写真撮影は厳禁ですが、この『アール・デコ展』の間は許されていましたので、撮影ポイントがあり過ぎて、贅沢三昧でした。
一階のパブリックスペースは華麗ですが、二階のプライベートルームは、日本のアール・デコを創り上げたそうです。二階のお部屋の窓から眺めるお庭の緑がとっても鮮やかでした。
新館には、コレクター(伊勢彦信氏、大村清一郎氏、松本瑠樹氏)の方々のアール・デコ様式のティーセットやA.M.カッサンドルの「ノルマンディ号」のポスターなどが展示されていました。
翌日は、ホテルオークラ東京「平安の間」で開催されていた『第21回 秘蔵の名品 アートコレクション展 美の宴』をみてきました。
会場となったホテルオークラ東京本館は、8月をもって営業を休止し、建て替えが始まりました。 日本的な美を取り入れた建築物として海外からも絶賛されるオークラ東京が取り壊されるのは、誠に残念ですね。 そのオークラ東京で数々の国際舞台となった「平安の間」での作品鑑賞は、感慨深いものがありました。
作品は、横山大観、上村松園、喜多川歌麿、伊東深水、アンリ・マティス等、そうそうたる画家の作品揃いでした。
ひとまわりした後、また横山大観さんのところへ戻って竹林の静謐さにうなったり、上村松園さんの描く舞妓さんたちに魅とれたりしてました。 取り壊し前に訪問できてよかったです。
さてさて、帰りも北陸新幹線に乗車しました。 今度こそは、立山の絶景をと、おもったのですが、あいにくの空模様。 絶景は次の機会にいたします。
たどり着いた金沢駅は、帰省客でごった返していましたが、新幹線の待合室に石川の伝統工芸を各種展示してあるので、それをみてきました。
金沢駅にお越しの際は、是非、ご覧になってみて下さいね。
東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp
アール・デコの邸宅美術館 9/23まで開催中
ホテルオークラ東京