2016年のお正月は昨年とはうってかわって、気温が10度を越える春の陽気でした。
寒い冬には鍋で決まり!ですが、
寒くない冬でもおでんは定番です。
『金沢おでん』って、聞いたことがありますか?
『金沢カレー』もそうですが、地元民が知らない間に有名になっていて、びっくりすることがあります。
金沢は、日本でも一番おでんが、食べられている地域だそうです。しかも、一年中、おでんメニューがあるお店が多いそうです。
日本全国どこもいっしょだと思ってることが金沢だけだった、ってことが意外とあります。
アイスのショーケースがやたら大きい、とか。鏡餅が紅白とか、です。
おでんも家では食べるけれど、おでん屋さんへ頻繁に行くこともなかったのですが、昨年、たまたま老舗のおでん屋さんにいく機会がありましたので、ご紹介いたします。
まず、金沢駅構内の「あんと」にある『黒百合』さんです。ランチに立ち寄ったのですが、店内はキャリーケースやビジネスバッグのお客さんでいっぱいでした。
おでん定食だったので、おでんネタはおまかせでした。追加で大根を頼めばよかったと後で後悔しきり。子供の頃は大根の煮物なんて好きではなかったのに、なぜか、年がいくと好きになるんですよね。なぜでしょうね?
次は、兼六園から小立野台に向かっていくと、石引界隈に『若葉』があります。
カウンターと小さなお座敷があるこじんまりとしたところですが、カウンターのお客さんが次から次へと回転していきます。私たちは、お座敷でのんびり送別会でした。
下の写真は、お友達お勧めの土手焼きです。
ネギがたっぷり載ってて、お肉(豚バラ)も柔らかくて食べやすいし、お味噌が美味しいです。
上の写真は、味のたっぷりしみた大根(辛子みそ添え)と、おでんの盛り合わせ(つみれ、ふき、かぶなど珍しいかも)です。
最後は、片町にある『高砂』さんです。
女子会で行ったのですが、ちょうどカニ解禁日の翌日だったので、観光客がお店の前に集まってました。店内が、いっぱいではいれなかったのでしょう。予約してあってよかったです。
金沢名物のおでん種「蟹面(かにめん)」 とは……?
こちらが蟹面。
解禁日のご祝儀価格か昨年よりちょっと高めだそうです。
香箱ガニ(こうばこがに=加能ガニのメス)の甲羅に蟹の卵(内子と外子)と蟹の身とかにみそとともに詰めたものです。自分で細い足の香箱ガニの身を剥くのは大変ですが、プロのむいたカニ足はとってもきれいに形が残ってます。
高砂さんの土手焼きは、ネギがかかっていないけどスパイスが効いていました。
金沢のおでん種で有名なのは、車麩ですが、出汁がたっぷりしみていて美味です。写真ではちらっとしかみえませんが、たまごの下にあります。
赤巻かまぼこやタケノコもあります。
今回、バイ貝はありませんでしたが、金沢おでん特有らしいです。
身近すぎて知らなかったのは金沢おでんだけではなくて、名所旧跡にもありました。通称、忍者寺とよばれている寺町寺院群にある妙立寺(みょうりゅうじ)です。地元だから、いつでも行ける!と思いながら行ったことのない場所ってありますよね。その最たるものが忍者寺でした。実家が日蓮宗だったため、いつかは参詣したいと思ってました。噂ではおもしろいよ、楽しめるよ、と聞いておりました。それが昨年の秋にやっとかないました。
忍者寺とはいえ、忍者が住んでいたわけではありません。敵が襲来したときに、お殿様を素早く逃したり、かくまったり、敵を欺くために作られた仕掛けのあるお部屋が次から次へと続きます。外様大名ながら加賀藩では、徳川幕府から目をつけられており、もし攻めてこられた場合を想定して守りの準備をしていたそうです。
ガイドさんの説明を受けながら、寺院内をまわるのですが、へー。はー。と納得したり感嘆することたびたびです。みごとなカラクリで一つの襖で、表と裏がガラリと変わります。
写真の妙立寺の看板のある門のところがかつての正門だそうです。参拝客の増加に伴って裏門が正門に変わったそうです。趣きがあると同時にひっそりとしたたたずまいが時代背景を思い起こさせます。
徳川幕府に加賀藩がお取り潰しにされなくてよかったです。
なんて遥か昔に想いをはせてみたりするのも忍者寺の見学をしたからかもしれません。お勧めです。
黒百合
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