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全国唯一の店舗。丈夫な帆布バッグの「一澤信三郎帆布」

小原誉子

小原誉子

「京都観光おもてなし大使」&旅ライター
アナウンサー、テレビ番組プロデューサーなどを経て、集英社「エクラ」などのライターに。
2011年より京都に在住。
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全国唯一の店舗。丈夫な帆布バッグの「一澤信三郎帆布」

 

 

東山、知恩院参道近くの東大路通に面して「一澤信三郎帆布」があります。すでに多くの人がご存知だとは思いますが、京都生まれの丈夫な帆布製の鞄の専門店。全国の有名百貨店などで開催される京都関係の催事などに出店することもありますが、実は、直営店は、ここ1軒のみ。つまり催事以外には、京都のこの店舗だけしか購入することができません。

 

小原_帆布_1

 

今や老若男女に愛用されるコットン製のトートバッグ。日本での、その先駆け的存在は、ここ「一澤信三郎帆布」といって過言ではないでしょう。

 

 

明治時代、当時、ハイカラだった初代一澤喜兵衛が、ミシンを購入し、シャツなどの縫製を始めたのが、この店の前身だそう。

 

 

現在は、四代目の一澤さん。初代から受け継ぐモダン気質で、次々に新たな製品を生み出しています。「そもそも帆布の鞄というのは、素材の丈夫さから、大工や左官の道具入れや牛乳や酒などの重いものの運搬袋として作られた機能性重視の鞄なんです。軽量の化学繊維が普及する以前は、京都の各大学の山岳部やワンダーホーゲル部などから、リュックやテントなどの注文も多かったんですよ」と一澤さん。創業以来、それぞれの職業や使う目的に合わせ、いくつものサンプルをつくり、機能性と使いやすさを研究したそう。

 

 

一般の人たちが帆布のバッグに注目し始めたのは、昭和40年代になってから。それまであまり鞄を持たなかった男性が、書類や本を、風呂敷から鞄に入れ替え、小ぶりなハンドバックを持っていた女性たちの社会進出が進み、バッグサイズが大きくなった時代からです。

 

 

一澤さんが当主となってから、コンピューターを持ち歩く人の急増で、丈夫な帆布バッグ人気は、さらに高まってゆきます。

 

 

機能性を重視する傾向が強かった帆布バッグは、ちょっと無骨なイメージも。しかし、最近、デザイナーとのコラボなどで、ファッション性もアップ。女性のユーザーを増やしています。

 

小原_帆布_2

おしゃれな感覚の布製鞄も人気

 

「一澤信三郎帆布」の特徴は、素材を重視していること。綿帆布、麻帆布を一澤仕様に織ってもらい、それを独自の色に染め、バンドやテープ、金具に至るまで特注しているのでもちろん縫製は、店のそばにある工房で、職人さんがひとつひとつ丁寧に黙々と作業をしています。つまり完全な製造直売なのです。

 

小原_帆布_3

 

「ですから50年前に買われた鞄も、修理できるんです」と、安心のアフターサービスの良さが光ります。店には、全国から長年愛用され、底や持ち手が傷んだり、擦り切れて穴の開いた鞄が修理のため送られていました。「ものによっては、修理の方が、新しいものを作るより、手間がかかります。といって新品より修理代を高くするわけにはいきませんから、全く儲けはありません。でも、こんなになるまで使ってくれたと思うと、ありがたく、できるだけ修理させてもらってます」と、一澤さんは、ちょっと苦笑しながら語ります。

 

小原_帆布_4

使い込んだ麻素材の鞄は、味わいが漂います

 

その使いやすさと丈夫さは、さらに口コミで世界的に広まっていて、店内には、海外ゲストの姿も目立ちます。

 

 

運が良ければ、催事などで、製品を手にすることができますが、ここ京都の店には、2階まで、さまざまな用途、サイズ、デザインの鞄が勢揃い。ライフスタイルに合ったバッグが、豊富な種類から選べます。「え?こんなバッグもあったんだ~」と、初めて目にするデザインも多く、その出会いに心弾みます。

 

小原_帆布_5

 

「やっぱり本店はすごいですよね~」というと、「うちは、ここだけしか店ありませんから…」と、一澤さんはサラリ。徹底した良質のものづくり…まさに、それが使うほどに実感できる鞄です。

 

一澤信三郎帆布

京都市東山区東大路通古門前北

☎075-541‐0436

9:00~18:00 火曜休み (季節により無休、HPをご確認ください)

http://www.ichizawa.co.jp/

 

 

 

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