京都の郊外、植物園の北側を東西に走る北山通は、バブル時代、当時の憧れブティックやレストランなどが並ぶおしゃれな通りとして一世を風靡したストリート。時を経て、今、再び、注目を集めているところです。かつてのピカピカさとは異なり、今は、カジュアルで心地よい通りとなり、ベビーバギーを押した家族連れや近郊に住むマダムたちが、良質の食材や雑貨などを求め訪れ、そして、寛いだひと時をカフェやティールームで過ごしています。
並木が続く北山通は、古い家並みの京都とは全く趣が異なるエリア。特に近年、ウェディングスペースが増え、その洒落た建物がいっそう通りの雰囲気を洒落たものにしています。
そんな通り沿いにある「北山紅茶館」は、1995年12月にオープンした紅茶の専門店です。京都ではコーヒーショップの数に比べ、グッと少ない紅茶専門店。それだけにそれぞれのお店は、個性的であり、居心地の良さを感じます。
このお店は、紅茶専門店には珍しく、モーニングや軽食が充実しているのも魅力。そこで、ある日、開店時間の10時をめざし出かけました。
山小屋風の店内には、朝の清々しい陽光が大きな窓から注いでいます。窓からは、通りの並木や庭の緑が望め、開放感は抜群。さっそく窓辺の席で注文したのは、モーニングメニューで人気の、ドリンクがセットされた「BLTサンドウィッチ」1150円。
ベーコンとレタス、トマト、中身もたっぷり。そしてお店自慢の紅茶の香りを味わいながらの、ゆったりとした朝食タイム…。ボリュームもあり、しかも美味しい…。家では味わえないちょっと優雅なモーニングタイムです。
そばには、常連とおぼしき男性客やマダムたちが、思い思いの朝を楽しげに過ごしています。10時半ごろには、すでに満席。その人気ぶりが伺えます。
現在のオーナーの小林桂子さんは、実は以前、このお店が大好きだった常連さんのおひとり。「前のオーナーさんが、ご高齢になり店を閉じるというので、ご縁があり、6年前から私が引き継ぐことになりました」と。ちょうど子育ても一段落なさっていた小林さんは、創業以来の美味しい紅茶と素敵な空間をそのままに、さらにご自身のセンスをプラスし、より心地よいお店に。
「紅茶専門店って、ケーキや焼き菓子だけというイメージでしょ。でもここではしっかり食べられるランチメニューもいろいろあるんですよ」と。店の一角のオープンキッチンで、腕を振るうスタッフは、以前のお店から変わらぬそう。この店を愛している多くのファン人たちの笑顔があふれ、すでに親子三代で贔屓になさっている方も大勢。
店には、量り売りで購入できる紅茶の数々。またホームメードのクッキーやマフィン、スコーンなども並びます。テイクアウトやギフトに…という方も…。
サンドウィッチを食べ終わった後も、ポットに入った紅茶を…。あまりの居心地の良さについ長居をしてしまいます。次は「植物園」の見学の後に、ランチに友人と来よう…。ゆったりとした時が流れる素敵な紅茶専門店です。
北山紅茶館
京都市左京区松ヶ崎雲路町6-12
☎075-721-8586
営業時間10:00~20:00LO 水曜休み
交通/地下鉄烏丸線「松ヶ崎駅」徒歩2分