高台寺そばの鯛めし専門店「汐鯛めし だい黒」
京都人は、鯛が大好物。四季を通じて、真鯛や甘鯛、金目鯛など、さまざまな種類の鯛が日本料理に登場します。さて、そんな鯛好きの京都人の間で評判なのが、一昨年にオープンした鯛めしの専門店「汐鯛めし だい黒」。高台寺に通じる南門通からちょっと入った暖簾がかかる町家です。
ご店主は、割烹料理店で修業なさった村松昭二さん。その傍らで笑顔が素敵な奥様が、お客様のおもてなしを担当されています。
奥の深い京町家らしい構造のお店は、かつて民家だった古家を改装したもの。村松さんご夫妻の思いを盛り込み設計され、心地よい空間に生まれ変わりました。厨房に面したカウンター席と入口脇のテーブル席からなり、昼時は、満席になる人気ぶり。夜もその人気は衰えず、天然ものにこだわった魚介類や京野菜などを使った豊富な品揃えが、訪れる人たちを満足させているのです。
友人と共に訪れたこの日は、まだ残暑厳しい昼下がり。注文したのは、昼の一番人気の「お茶漬けセット」1300円~。天然鯛、生うに、煮アナゴ、本マグロ漬けなどから、好みのお茶漬けを選びます。やはり最初は、まず天然鯛の茶漬けから…。
お椀の蓋を開けると、湯気と共に、香ばしいかおりが広がり、その中には、釜炊きの鯛めしの上に並ぶ鯛の切り身が、たっぷりの昆布だしに浸っています。なんとも鯛の旨味が効いたお茶漬け。旅行で食べ過ぎの人や夏バテの人も、このお味なら、すんなり頂ける美味しさです。
小鉢も手間がかかった品で、この日は、イワシと梅肉を2日間ゆっくり煮込んだ「鰯の冷やし梅煮」。骨まで食べられる鰯は、梅肉で脂ぽさも消え、さっぱりとしたお味。「とても家庭では作れない味よね~」と、友人と共に感激しながらいただきました。さらに、京都の夏を感じさせる「鱧とナスのたいたん」も登場。お茶漬けの他の品にも、思わず笑みがこぼれます。
友人が注文したのは、夏季限定(9月中まで)の「冷や汁」。九州の家庭で作られる郷土料理ですが、京都の料理人の手にかかると、さらに洗練されたお味に…。
ところで、なかなか京都に来れないという方には、おとりよせのセットがおすすめ。家庭で簡単にこのお店の味が楽しめる「汐鯛めしセット」や「銀だら味噌漬」などが用意されています。インターネットで注文でき、全国に配送してくれます。
「いいお店、見つけたね~」と友人。京都らしい味を楽しみたいランチや夕食に、女性同士でも、またひとりでも、おすすめのお店です。
汐鯛めし だい黒
京都市東山区弁天町58番地
☎075-754-8598
営業時間11:00~21:00 水曜休み
交通/市バス「東山安井」から徒歩5分
小原誉子ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/