早いもので、今年もあと僅かとなりました。先日、「今年を表す漢字」として「金」が選ばれておりましたが、私が選ばせて頂けるのなら「驚」の文字でしょうか。 とにかく今年は熊本の地震など、とにかく様々なことに驚いてばかりの1年だったような気が致します。
現在の熊本のまちはといいますと、大分落ち着きは取り戻した一方で、損壊した建物の取り壊しや修繕はまだまだ続いており、日々街並みが変化しています。
先日、そんな熊本のまちに「お相撲」がやって来ました。九州場所を終えた大相撲力士たちの冬巡業です。 お相撲って、何だか福々しい感じがしませんか?国技だからなのか、神事から発祥したと云われるものだからなのか・・・ なんだかとっても縁起が良さそう!行ってみよう!という訳で、観戦に行ってきました。
会場近く。力士の名前が書かれたのぼりが幾つも立ち、既にこの段階からワクワクです。
ご存じの方も多いと思いますが、巡業の朝は早く、8時には会場が開き、稽古に始まり、そして子供たちとの稽古や序二段からの取組・・と流れ、私たちがテレビでよく見る十両力士たちの取組が始まるのはお昼を回ったころ。その時間を見越して、会場に入ったときには、すでに人で一杯。大盛り上がりでした。
本場所と違い、会場は和やかでどこかカジュアルなムードが溢れています。 おじいちゃん・おばあちゃんを含めた家族連れがとても多く、みんな笑顔でお弁当を広げたり、おしゃべりしながら取組を楽しんでいる様子はとても微笑ましかったです。
さて、十両力士たちの取組が始まる前に見られるのが、巡業ならではのプログラム「相撲甚句」と「初切(しょっきり)」。「相撲甚句」は、化粧廻しを付けた力士6~7人が輪になり、一人ずつで唄われる力士独特の唄。手拍子や独特の音頭に合わせて、順番に唄っていきます。 メロディーはともかく、歌詞(というのかな?)は、韻が踏まれてあったり、現代的であったり、聞いていて笑ってしまうものもあったり・・・。とても声の良い力士もいらして、思わず聞き惚れてしまったり・・・。
「初切(しょっきり)」は、相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する見世物のこと。古く江戸時代から行われていたそうですが、その楽しく面白いこと!力士や行司の方たちの演じる力が素晴らしすぎて、始終笑いっぱなしでした。
次はいよいよ十両の土俵入り、そして取組。その後には幕内、横綱の土俵入りです!
力士も番付が上の方になればなるほど「お相撲さん」らしく、行司さんも然り。どんどん会場も盛り上がり、華やいだムードになって行きます。
盛り上がるといえば、ご当地出身力士が登場した時。それはそれは盛り上がりました! 沢山の声援に後押しされ、力士ご本人もますます取組に力が入ったのではないでしょうか。
普段は、あまりお相撲に興味のなかった私ですが、気が付けば、力士たちの勝敗に一喜一憂していました(笑)そして、そんな私でも知っている横綱、白鵬と鶴竜の結びの一番の時には、身を乗り出して応援してしまったほど・・・。技のことはよく分かりませんが、勝敗が一目瞭然、単純明快なお相撲というスポーツの魅力が分かった気がしました。 ときどき「相撲女子」という言葉を耳にしますが、彼女たちの気持ちもちょっぴり理解できたかも。
そんなお相撲観戦を満喫した会場を後にして、帰り道にはちょっと気になっていた場所で休憩をしてから帰ることに。そこが、中央区の新町エリアにある老舗の書店「長崎次郎書店」の2階にある「長崎次郎喫茶室」です。外観も入り口も、前を通るたびに気になっていたんですよね・・・。
入ってみると・・・ やっぱりいい雰囲気でした!コーヒーの香りが漂って、時間がゆっくり流れている・・・。まさに「喫茶室」というクラシックな呼び名がピッタリ。本屋さんに併設されたカフェですから、本も置いてあります。
窓側の席は、すぐそばにある市電「新町」電停に停まったり、行きかう電車の姿を眺めることができる絶好のスポット。運よくその窓際席に座れましたので、外の様子をぼんやりと眺めながら、至福のコーヒータイムを過ごしました。
震災後、こうして様々なイベントが「復興支援」という名前と共に行われています。 その度に「熊本を元気づけよう」というお気持ちに、感謝の気持ちがわいてきます。今回も力士の皆さんに、沢山の元気と笑いとワクワクを頂いた、良い1日となりました。
日本相撲協会
http://www.sumo.or.jp/
長崎次郎書店喫茶室
http://www.jirokissashitsu.com/