こんにちは。寺社部長の吉田さらさです。
全国の寺社を巡り、旅に役立つ情報をお届けしています。
今回のテーマは寺精進料理ですが、お寺じゃないんです。
精進料理と聞くと、まず、「お寺で食べるもの」というイメージがあります。それに加え、いろいろな宗教上の決まりもあって、作り方も食べるお作法も、けっこう難しいと思う方もいるのでは。しかし、今回ご紹介するのは、そうした堅苦しい雰囲気とは無縁の、とても楽しい料理教室&お食事会です。
教えてくださるのは園部暁美さんと中園五月さん。お二人は姉妹です。
「おばあちゃんの精進ごはん」という本も二冊出版され、最近では、テレビに出演するほど活躍なさっていますが、もともとプロの料理家だったわけではありません。
お家でご自分と家族のために、美味しくて体によいものを作りたいと試行錯誤し、「精進料理が一番」という結論に達したのだとか。
以前は、それぞれに別のところでお料理教室をすることもあったのですが、お姉さんの暁美さんが神奈川県の海老名市に引っ越してきたことから、茅ヶ崎市の五月さんの家の近くにある、リベンデルというコミュニティ農園の一角にある納屋で、定期的に教室を開くようになりました。
リベンデルは、会員制の貸し農園と、古民家をリノベーションしたコミュニティスペースを持つ農と暮らしの複合コミュニティ。オーナーの方のおじいさまが持っていらした土地を生かし、さまざまな体験型イベントなどが行われています。茅ヶ崎は我が家からは決して近くないのですが、この場所に行くだけで、ちょっとした旅行のような気分を味わえました。
リベンデル
http://rivendel.jp/
こちらのお料理教室は参加者は四名まで。
暁美さんと五月さんのお話がよく聞け、お互いに声も掛け会える、ちょうどよい人数です。
まずは、暁美さんから、どんなお料理を作るのかという説明があります。
「動物性の食材を使わないだけでなく、五葷(ごくん)も使いません」
五葷とは、ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、アサツキの、五つの野菜のことです。これらはにおいが強く、強壮作用があるとされますが、それがお坊さんの修行の妨げになるとも考えられてきました。
「お酒はもちろん飲みません。味付けにも使いません」
みりんもアルコール分があるので使わないそうです。
「乳製品は、動物の命を取るものではないので使うことがあります。卵は無性卵なら使います」
なるほど、おおよその基本は、お寺の精進料理と同じですね。
でも、本日作る予定のメニューを見ると、お寺の精進料理と比べて、ずいぶん自由だし、材料も、家にあるもので簡単にできそうです。
精進料理に限らず、料理教室やお料理の本には、「こうしなけばいけない」とか「これがなくては作れない」など、なかなかハードルが高い場合もありますよね。でも、暁美さんと五月さんの場合、調味料さえ目分量。作るメニューも、「この前、〇〇さんに教えてもらって美味しそうだったから」とか、「急に思いついて、今回がはじめてのチャレンジなの」など、自由自在です。好奇心旺盛でいろいろなものを柔軟に取り入れているところが人気の秘密なのでしょう。
いよいよ作り方へ!次ページへどうぞ。
本日のメインは、ジャガイモと海苔で作った蒲焼きもどきを乗せた蒲焼丼です。
ジャガイモをすりおろし、レンコンのすりおろしも少し入れて混ぜ、ノリに張り付けて揚げます。
あとはお鍋でたれを作り、出来上がった蒲焼もどきをくぐらせ、ごはんにのせます。ちなみにごはんは、五月さんが家で炊いてきてくれた酵素玄米です。
サイドメニューは、切り干し大根と豆の胡麻和え。切り干し大根を戻した汁はとっておいてスープのダシにします。豆は、ひよこ豆などをミックスした缶詰でOK。それと、青菜のスープと、カブの塩昆布和えを作りました。
デザートはソイナッツバー。
おからとてんさい糖、ナッツを砕いたものを混ぜて四角に広げ、オーブンで焼いただけの素朴なお菓子です。これがまた、後を引く味でした。
出来上がったら、テーブルにおしゃれに並べ、みんなでお料理談義をしながらいただきます。本日の参加者さんは、小さなお子さんがいる若い主婦と、近所でジャム屋さんをなさっている女性二人。次はこんなものを作ってみたいと、いろいろな意見が飛び交いました。
暁美さんと五月さんのお料理教室のお申込み、問い合わせ先。
メール:ungaiiarigatou@softbank.ne.jp
電話:080‐6565‐3974(中園五月さん)
他の場所でもお料理教室が行われます。合宿やキャンプも予定されているとのことなので、気軽にお問合せを。