艶やかな髪美人へ、黄金色のつばき油
京都の女性たちにとって、肌の美しさと共に、艶やかな髪こそ、美人の条件。京都では、幼いころより、櫛で髪をとかすことを習い、人前に出る時の心得を身につけるそう。「髪の乱れは、心の乱れ…」どんなに忙しくても、きちんと髪を整えるのは、京の女として、ごく当然のこと。京都に暮らす限り、髪の手入れには、気を抜けません。また、人間の体の一番上にある「髪」は、「神」にも通じる言葉で、清潔に保ち、大切にすることで、運が下りてくるのだとか…。幸運のためにも、髪の手入れにはげみたくなります。
昔から、京都で髪の手入れに使われてきたのが、椿油。オレイン酸という酸化しにくい成分を多く含み、他の油に比べ、固まりにくく、サラリとした感触から、鬢付油や化粧油として使われてきました。祇園に店を構える「かづら清老舗」は、慶応元年(1865)創業のかもじ、かずら、かんざしなどを製造、販売する老舗。祇園の舞妓、芸妓をはじめ、芝居興行の役者、さらに宮中女官たちの御用も務めたという、京の女性の髪の美しさを支えてきたお店です。髪を飾る品々だけでなく、ここで評判なのが、ツヤ髪をつくる椿油。
「かづら清老舗」の椿油は、長崎県産のヤブツバキの実から作られます。長崎出身の四代目店主が、昭和49年に自然豊かな五島列島に、自社椿園と搾油工場を設立。以来、晩夏に完熟したヤブツバキの実をひとつひとつ手で収穫し、改良を重ねた独自製法で、丁寧に搾油して生まれる黄金色の椿油です。髪への浸透力も高く、髪内部の水分を保ちながら、サラリとした感触で、艶やかな髪へと導く、京都で評判のロングセラー商品になっています。
今回ご紹介する「香る椿」は、その椿油に、ラベンダー、ローズマリー、オニサルビアなど5種類ハーブのオーガニック精油を配合し、アロマの心地よい香りも楽しめる品。シャンプーの30分ほど前に髪につけ、頭皮マッサージすると、毛穴に成分が浸透し、抜け毛予防になり、健やかな髪も育つそう。また、乾いた髪に付ければ、ツヤも出て、まとまりもよくなります。さらに外出前に使えば、夏の強い紫外線からも髪を守る働きも期待できるのだとか…。髪へのダメージを受けやすい季節には、特に使いたい品です。
しかも、これは、髪だけでなく、肌にも使える万能椿油で、クレンジングオイルや美容液、ボディーオイルにもなる優れもの。アロマのおだやかな香りが、体全身を包み、心やすらぐ時が過ごせます。1本でいろいろ使えるので旅行にも便利です。
かづら清老舗
京都市東山区四条通祇園町北側285 ☎075-561-0672
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」 http://blog.goo.ne.jp/mimoron/