簡単に楽しめる手あみキットがもたらす温かな冬 「イトコバコ」
紅葉で色づき始めた京都…そろそろ町歩きにマフラーや手袋が恋しい季節の到来です。温かな冬の小物と言えば、真っ先に思い浮かべるのは、やはり手あみの品。
でも、自分では編めないと思っている人でも、簡単に素敵な手あみの品が作れる手芸キットに出会いました。それがあるのは、二条城のそばにある築80年の古民家を改装した手芸店「イトコバコ」。「ここが手芸店?」と思うほど、趣ある建物です。
実は、この「イトコバコ」は、手あみ手芸糸のメーカー「ハマナカ」の直営ショップ。そう、手芸好きの人なら、一度は手にしたことがある手あみ糸の「ハマナカ」。その本社は、京都にあるのです。
「人の創造性を豊かにする手芸手あみ糸を作りたい」と創業者、濱中利基男さんが製造を始めたのは、昭和15年のこと。京都丸太町通沿いに昭和39年に本社社屋を構え、製造は、宮崎の工場で、アクリルや原毛などの毛糸の素材を紡績しています。そして全国の手芸店などに、その時代のニーズに応えるさまざまな手あみ糸や手芸用品を届け続けているのです。
日本の家庭で盛んに行われる手芸には、時代と共に流行があります。昭和生まれの人なら、プラスチックのネットに糸を刺してカラフルなカゴを作るアンダリア手芸や四角に編んだものを組み合わせるモチーフあみなどをやったことがあるのでは?そこでも「ハマナカ」は大活躍。単に手あみ糸のメーカーではなく、現代の暮らしを豊かにするさまざまな手芸作品の提案も数多くしていることは見逃せません。今は、あみぐるみのマスコットやトートバッグなどが人気とか。
さて、格子戸を開け、「イトコバコ」の店中に入ると、棚一面に並ぶ色とりどりの毛糸や手芸糸が目に飛び込んできます。なんとも微妙な色合い、その太さや質感のバラエティーの豊かさにも驚くばかり。さすが直営店ならではの品揃えです。
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棚に並ぶ色とりどりの毛糸を見て、「こんな色の毛糸でマフラーができたら素敵~」と思っても、長らく手あみをしていない人にとっては、なかなか自分で作る自信がでないもの。しかしここでは、初心者でも参加できる3時間ほどのワークショップが頻繁に開催されています。丁寧に指導してくださるので、憧れのケープやルームシューズなどが、自分で作ることができるのです。
またワークショップに参加する時間がない人には、種類豊富な手あみキットがおすすめ。手芸を久しくやっていないという人でも、短時間で完成でき、作る楽しさと達成感が蘇る手あみキットです。
<キットは、毛糸にあみ方レシピ付き。バッグのキット1890円~、ルームシューズのキット1814円~(税込み)。用具やあみ方の『基礎ブック』が付いたセットもあります>
店内には、完成品のサンプルも多数展示されているので、それらを参考に自分らしい色を選び、自ら手あみの小物を作ってみては。その人のセンスが光る素敵なものになるはず。マフラーの手あみキットで、秋の夜長、久しぶりに手にした毛糸…編み進むごとに、その楽しさに夢中になります。そして完成した嬉しさも、ひとしお。
冬の京都の旅には、絶対に欲しいマフラーと手袋。そして厚手のルームシューズは、板張りのお寺の拝観には、欠かせないアイテムです。この冬は「イトコバコ」で選ぶ手あみキットで温かな時間を過ごしては、いかがでしょう。
イトコバコ
京都市上京区主税町1071
☎075‐822‐0011
営業時間:11:00~19:00
定休日:木曜 祝日
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」