京都は、日本におけるプリント生地の生産地。長い歴史の中で培われた友禅など染めの技術は、服地をはじめ、さまざまなテキスタイルに使われています。近年、伝統の文様やかつて着物や帯に使われていた図柄などをモチーフに、プリントされた生地によるバッグやポーチなどのファッション雑貨が、京都を訪れる人たちに人気を呼んでいます。
さて、今回ご紹介するのは、日本のイメージをよりグラフィック的にデザインした、モダンで、どこか北欧のシンプルなデザインをも彷彿とさせるテキスタイルです。
それを手掛けたのは「青衣(あをごろも)」というブランド。京都を中心に活躍する若手グラフィックデザイナーと京都の優れた染めの技術を有する職人さんやメーカーとのコラボで実現したブランドです。
日本をイメージしたテキスタイルは、ともするとあまりに「日本的な和の形」を強調し、外国人は興味を示しても、日本人はちょっと…と思ってしまいがち。でもこの「青衣」のデザインは、なるほど言われてみれば…日本人が親しんでいるものや形。鴨、八ッ橋、だるま、瓦などとわかるものなのです。一歩間違えるとベタなデザインになりがちな和のテーマも、実にサラリとこなしています。さらに、とんびに油揚げ、暖簾に燕、きつねの尻尾など、プリントを見て、「あ~そうなんだ~」と思わず微笑んでしまうネーミングと余分な情報を徹底的に削除したデザイン処理のマッチングが巧みです。
「青衣」初の直営ショップである三条通に面した「青衣 あをごろも 京都店」には、質感のあるコットン100%の生地で作られたシャツやワンピースなどのファッションアイテムのほか、バッグやポーチなどの雑貨もいろいろ揃っています。どれもテキスタイルのデザインと素材感を活かしたシンプルなフォルムで、幅広い年齢層が楽しめる品々です。
また2階には、好きな長さで購入できるテキスタイル生地そのものの販売も…。カーテンやクッション、テーブルクロスなどインテリアに使いたくなります。
よく見ると日本の形…でもベタじゃない…それが魅力。大人の遊び心を感じさせるデザインと上質な素材、明快な色使いも見ているだけで楽しくなります。今年の春と夏には、ぜひ着てみたい…と、おしゃれ心をくすぐるテキスタイルです。
青衣 あをごろも 京都店
京都市東山区七軒町19(東山三条西入ル)
075‐354‐5223 営業時間:11:00~18:00 不定休
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」