京都の造り酒屋が作る夏限定の米麹天然飲料「白い銀明水」
佐々木酒造
連日、猛烈な暑さに見舞われている京都。毎年のことながら、なんとも体がシンドイ季節です。そんな夏バテを軽減する飲み物に出会いました。それが、京都で創業125年となる「佐々木酒造」が一昨年から本格的に生産を開始した米麹天然飲料の「白い銀明水」です。
京都の中心地、洛中に残る造り酒屋「佐々木酒造」は、俳優佐々木蔵之介さんの弟、佐々木晃さんが4代目当主を務める日本酒の蔵元です。二条城の北にある木造の店は、どこか懐かしい感じが…。
店の奥には創業以来、この店を見守るように鎮座する大きな井戸。そこには京都の地下を流れる良質の豊かな水が湧き、今も酒造りを支えます。
「明治26年の創業当時には、洛中周辺に131軒あった蔵元が、今やうちともう一軒だけになりました。近年、日本酒の需要は減少の一途。日本酒業界の将来は、なかなか厳しいものがあります。でも蔵元というのは、簡単に創業できるものではありません。こんないい水があるところで酒造りができているんですから、それに感謝し、小さいながらいい品づくりに励んでいきたいと思っています」と語る佐々木晃さんです。
佐々木さんが当主になってから、酒造りの技術のさらなる向上や生産性の効率化、販売ルートの拡大など、さまさま新たな取り組みが行われて、店を代表する「聚楽第」は日本酒品評会で金賞を授与される銘酒となりました。その酒造りの優れた技術は、さらに新たな製品の誕生につながります。
2011年から「佐々木酒造」は、京都市産業技術研究所、そして京都大学、京都府立大学、京都府農林水産技術センターなどと共に、産学連携のプロジェクト「地域イノベーション創出開発事業」に参加。そして京都の伝統的甘口清酒製造技術をもとに、オリゴ糖やアミノ酸などを多く含む天然飲料水の開発に成功します。それが、子供から高齢者まで楽しめるノンアルコール飲料である、米麹による新たな天然飲料「白い銀明水」なのです。
この「白い銀明水」は、親しみやすい甘酒のような味と風味。甘酒といえば、アルコールを含む酒粕から作るものと、本格甘酒といわれる米麹から作るノンアルコールのものがあり、これは、子供から高齢者まで、だれでも飲める米麹によるノンアルコール飲料です。
甘酒は、ビタミンB群、ミネラルなどを豊富に含む発酵食品のひとつで、胃腸にやさしく、腸内環境を整え、新陳代謝を促進する飲み物として、今、注目されています。寒い冬、体を温めるものと思われがちな甘酒ですが、この「白い銀明水」は、4月から9月末までの夏限定の飲料水。冷蔵庫で冷やして飲むのがおすすめ。日本酒品評会で金賞を受賞する日本酒と同じ良質の水が使われている、なんとも贅沢な飲料水なのです。
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冷たい「白い銀明水」に、すりおろした生姜をたっぷり入れて飲むのが、私の好きな飲み方。米麹が生み出す甘さが、生姜の風味でいっそうすっきりし、さらに美味しい飲み物になります。
「でも、なんで夏だけしか販売しないんですか?」と伺うと、「実は、これを作っているのは、日本酒造りの専門家である杜氏をはじめとする蔵人を中心にした我が社の職人たちです。小さな蔵元ですから、冬は日本酒造りで忙しく、これを作るのはむずかしいんです」と佐々木さん。「でも、暑い夏にこそ、体にいい成分を多く含む飲み物を味わって頂きたいと思います」との言葉も…。
豊富なミネラルやアミノ酸が、消化吸収を助け食欲不振を改善し、さらに腸内の善玉菌を増やし腸内環境を整え、免疫力をアップさせるといわれる発酵食品。その働きを飲むことで期待できる米麹飲料水。この夏、これを飲んでいれば、夏バテ知らずで、過ごせそうな気がします。
京都の蔵元が作る米麹飲料「白い銀明水」。ぜひこの夏、味わってはいかがでしょう。
佐々木酒造
京都市上京区日暮通椹木町下ル北伊勢屋町727
☎075-841-8105
営業時間10:00~17:00 日曜・祝日・お盆・年末年始休み
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」