遊び心あふれる帯留めは、ブローチとしても素敵
年末、年始、京都は、和服を着る人の姿が、いっそう多くなります。町行く人の中には、思わず振り返りたくなるほど、美しい和服姿の女性が…。やはり着物って素敵だと、思ってしまう瞬間です。年齢に関係なく、和服美人が多い京都。もちろん、着物愛好家の数も、断トツに多いのですが…。東京と京都は、和服の着こなしにも、やはり違いがあります。
シックな色や紬を好む東京に比べ、京都の着物は、華やかさが漂うのが特徴。そして、女性たちは、実に楽しそうに、自分の着こなしを楽しんでいるのです。京都に暮らして、京都の方が、着こなしの自由度が高いのを感じます。和服は、洋服と違い、スタイルに自由度は少ないもの。でも、だからこそ、いっそうその人の着こなしや選ぶ小物の好みが際立ちます。
和服で、おしゃれを感じさせる人のポイントは、帯締めや帯揚げ、半襟、そして帯留め使い。同じ帯と着物でも、小物使いで印象がガラリと変わるのも、着物の楽しさのひとつであり、便利なところかもしれません。京美人は、実に小物使いが、巧みで上手。本当にすごいと思ってしまいます。
小物のなかでも、特に、帯留めは、遊び心が発揮できるもの。帯の中央にある小さな帯留めですが、実は、なかなか目立つ部分なのです。
河原町通に面した和装小物の専門店「きねや」。多くの京都の和服好きの女性たちが、季節ごとに通う店です。扱うのは、帯締め、帯揚げ、半襟、羽織紐、和装バッグ、そして帯留めなど。種類豊富に、オリジナルの品々が並びます。
特に、帯留めの種類の豊富さは、驚くばかり。百人一首や源氏物語をテーマにしたもの品格漂うものや、冬なら雪輪や柊など、おしゃれ心を表現できるもの、さらに、ネコや犬、クジャク、金魚、コアラ、イルカなど動物シリーズなど、ひとつひとつ見て行きたいものばかり。特に、動物シリーズの可愛らしさには、思わず微笑んでしまいます。これらは、水牛の角を職人がひとつひとつ手作りで仕上げたもの。さらに天然素材だけに、微妙に色合いが異なり、同じものはひとつもないそう。
和服は着ないから…という方には、特製の金具に付け替えると、帯留めがブローチに。コートの襟や、スカーフ止めなど、お気に入りの形を楽しむことができるのです。水牛の角という素材の上質感が、大人の可愛らしさをもたらします。和装だけに使うには、惜しい。なんとも洒落たアクセサリーなのです。京美人の遊び心を、ぜひ洋装にも取り入れてはいかがでしょう?きっと、注目されるアクセサリーになります。
和装小物 きねや
京都市中京区河原町蛸薬師下ル奈良屋町300
☎075-221-2782
営業時間:10:00~19:30 無休
http://www.kyoto-kineya.co.jp/
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」