「眼鏡研究社」明治創業の日本人の顔に合うメガネ
年齢と共に、メガネをかける機会が増えて行くのは、自然の摂理。今や、私、リーディングメガネは、日常必需品のひとつになっております。顔の印象は、メガネで大きく変わるもの。顔の雰囲気にあって、しかも長時間かけても疲れない快適なメガネは、なかなか見つからない…。そんな悩みを持っていた時、出会ったのが、新京極にある「眼鏡研究社(がんきょうけんきゅうしゃ)」です。
創業は、なんと明治時代。京都の人たちに長い間愛され続けているメガネ店なのです。現在、ご店主の玉垣嘉一さんと奥様、そして専門のスタッフが、訪れた人に合ったメガネを提供しています。
新京極のアーケードの一角にあるモダンな店内の棚には、ズラリと並ぶメガネフレームが。そのいずれもが、どこか洒落た雰囲気が漂っています。最近は、大手のメガネ店も京都に進出していますが、ここに並ぶのは、すべて手作りの日本製のオリジナルフレームです。
実は、京都は、昔からメガネ店が多かったそう。それは、当時高価なメガネは、ハイカラなインテリ人の象徴で、京都人らしい時代を先駆ける気質も影響して、町には、山高帽に、ステッキ、ちょび髭、そして丸縁のメガネスタイルの紳士たちが闊歩していたのだとか。
一方、一般の女性たちが、本格的にメガネをかけるようになったのは、グッと遅く、戦後、セルロイド製のメガネが普及してからだそう。着物が主流だった時代、やはり和服にメガネという姿には、違和感があったのと、京都の女性たちの奥ゆかしい意識から、インテリにみられることに、抵抗を抱いていたためと…。
もちろん、今、和服でメガネというのは、一般の京都の女性たちの間では、なん抵抗もないようで、お茶事などでも、メガネ姿でのお点前も、よく見受けます。
「でも、今も、祇園など花街では、年配の芸妓さんも、女将さんも、お客様の前では、決してメガネをかけないんですよ。今は、必要な時だけ、帯などに忍ばせたメガネを取り出して使います」とご店主。確かに、花街の女性たちでメガネをかけている人にあったことはありません。
さて、ここ「眼鏡研究社」は、その一見、いかめしい店名からわかるように、創業以来、日本人に合うメガネの研究を、代々地道に続けているお店です。店にあるストックは、なんと千本以上。店に残る昔のメガネのストックは、今や、明治から昭和の風俗を物語る貴重な資料になっています。「京都には、映画の撮影所やテレビのロケが多いので、昔の映画などを撮影する小道具に、よく貸し出すんですよ」とご店主。有名な女優さんも、こちらのメガネをかけてスクリーンに登場しているそうです。
ここのメガネの特徴は、凹凸の少ない日本人の顔の骨格や肉付きの構造を研究し、かけやすく、ずれにくく、またその人の個性を活かし、美しく見えるフレームです。店内に並ぶのは、すべてオリジナルの日本製の手づくりの品。フレームの色や形の種類も多く、顔をいっそう若々しく見せるものが揃っています。
あのオードリー・ヘップバーンが、映画でかけたような洒落たフレーム。ちょっと憧れてしまいます。
メガネフレームは、16,000円~2万円ほど。レンズは、1万円~。メガネ一式に約3万5000円ほどが、ひとつの目安に…。
メガネ一式を注文しても、丸1日あれば作ってもらえます。京都旅の初日に訪れて、次の日にピックアップ。「東京からのお客様も多いんですよ~」と。メガネ通には、有名なお店なのです。
眼鏡研究社
京都市中京区新京極通蛸薬師上ル ☎075-221-0717
営業時間:11:00~19:00 水曜・第3火曜 休み
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/
写真展のお知らせ
京都市が東京各所を会場に、京都の歴史、景観、伝統産業、観光など、多彩で奥深い京都の魅力をお伝えする様々なイベント、京都創生PR事業「京あるき in 東京2015」が開催中です。(2月4日~3月2日)
その中のひとつ、京都商工会議所主催による「京都検定合格者が伝える”大好き京都”観光写真展」(2月15日~3月2日)には、小原誉子が毎日更新する京都の観光文化ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」で紹介した楽しい京都の写真が、展示されます。
20点のパネル展示の中で、ミモロは、5点。また会場内のスライドショーに約120点が紹介されます。
ミモロが体験した心和む京都をぜひお楽しみください。
日時:2月15日~3月2日 12:00~18:00(最終日16:00まで) 火曜休み
会場:京都のアンテナスタジオ「京のお稚児さん」
港区六本木7-14-6 六本木FFビル1F(モスバーガー地下)
交通:東京メトロ「六本木駅」4a出口徒歩2分
お問い合わせ先 京都商工会議所会員部 075-212-6440