手書きで添える思い…
「URAGNO(ウラグノ)」の品々
ある日、久しぶりにあった京都在住の友達。別れ際に、手づくりのケーキをプレゼントしてくれました。そこには、「体に気を付けてね~」と書かれた小さな紙が添えられていました。とても短い言葉ながら、なんとも彼女のやさしい心が伝わってきます。
「最近はメールでメッセージを贈る人が多いですが、やはり手書きのものを受け取ると嬉しいものですよね。『裏具』は、そんな思い『嬉ぐ(うらぐ)』を表現できる、手書きの言葉を添える品々を揃えています」と、おっしゃる「裏具」のデザイナー兼アートディレクターの佐々木まなびさん。
2006年、グラフィックデザイナーの大野好之さんと、宮川町の路地の元お茶屋にオープンした「裏具」は、洗練されたデザインによる一筆箋やメモなどの素敵さで、そこを目指しわざわざ訪れる女性たちの多いお店です。
2013年には、八坂の塔が見える小路、八坂通に「裏具ハッチ」を開店。多くの旅行者がおみやげに求めるようになりました。特に美意識の高い外国人観光客には、そのデザインが好評。
さらに、2015年に三十三間堂近くの古い倉庫をリニューアルした「URAGNO(ウラグノ)」もできました。週末と祝日だけの営業ですが、「裏具」らしいモダンとクラシックな雰囲気が融合した空間がなんとも心地よく、思わず長居をしてしまいます。
ここでは、従来のコンセプトを踏まえ、よりモダンな品々を展開。クッションなどのファブリックも登場し、ライフスタイルの提案へとデザインの幅を広げています。
京都生まれの「裏具」のデザインは、どこか和風の趣を漂わすもの。でもさすがグラフィックデザイナーが手掛けたもの、ベタな和風感ではありません。大人向けと言えるカッコよさが漂うデザインです。男性にも好評で、デスク回りに置くメモにも端整な美がもたらされます。
一筆箋やメモは、ほんの一言「ありがとう…」「お元気で~」と書くだけでも、素敵に見えるようスペースなどが工夫され、たった一言でも、かっこよく見えるメッセージになります。余白の美…それを損なわないために、文字を書く…だからたった一言がいいのです。だから心を込めて文字を書くことに…。
また日本の四季をモチーフにしたハガキも、文字はできるだけ少なくして、気持ちだけを端的に書きたくなるもの。
「ありがとう…」の心にも、贈る人のセンスの良さが伝わる品々…。
たった一言の手書き文字が、贈り物をいっそう心に残る品へと変える「大人の文房具」です。
「URAGNO(ウラグノ)」
京都市東山区塩小路通大和大路東入ル三丁目本瓦町672
☎075‐744-6540
営業日:土・日・祝日11:00~17:00(金曜不定休)
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」
http://blog.goo.ne.jp/mimoron/