良質の眠りが作る健やかな美しさ
大東寝具工業「ねむりの蔵」
いつまでも健康的な若々しさを保つには、良質の眠りが不可欠なことは衆知のこと。眠りに気を使っているつもりでも、長年同じ寝具だと、「以前は、もっとよく眠れたのに…」とふと思うことがあります。すでに気づけば10年近く愛用?しているベッドパッドや枕。5年も経つと、自分自身の体も変化しますし、また寝具自体も劣化してゆくため、寝心地も悪くなって当たり前なのだとか。
そこで蒸し暑い京都の夜でも快眠できる、自分に合った寝具探しに出掛けることに。訪れたのは、伏見に本社を置く「大東寝具工業」。京阪「中書島駅」から徒歩20分ほどにある会社は、大正14年創業という昔から良質の布団や座布団を手掛ける寝具専門店です。
本社ビルの正面にあるショールーム「ねむりの蔵」は、2014年2月にできた個人顧客のための「眠りの体感スペース」です。以前は、主に有名百貨店や寝具店に、さらに医療施設や宿泊施設に寝具を納める卸メインの会社でしたが、直接、個人顧客の細かいニーズにも対応するようなったのです。昔から培った確かな寝具づくりの技術と共に、さらに良質な眠りの環境づくりの提案まであらゆる範囲を手掛けるようになったのには理由が…。
「今、現代人は、良質の眠りを得にくくなっているんです。夜遅くまで、町は明るく、また家の中にも夜の闇を感じさせる場所はありません。しかも深夜まで、パソコンやスマホの前で過ごす人が多く、頭や体が休まりにくい状況がますます進んでいます。眠りは、とても個人差があり、それぞれの要望に応えられるようにしたいと考えました」という大東利幸社長。
大東社長ご自身だけでなく、良質の眠りを追及するため、ショールームの「ねむりの蔵」のスタッフは、すべて睡眠睡眠指導士の資格を取得。ショールームに並ぶさまざまな種類の枕やマット、掛布団など、訪れた人それぞれが心地よい時間を過ごせるよう細やかなアドバイスをしてくれるのです。
実は、ショールームの奥は、寝具の工場。「まぁ、寝具の産直ですね~。こういうところは他にはないと思いますよ」と大東社長。広い工場には、寝具づくりの特製ミシンなどが並び、職人さんたちがそれぞれ熟練した技で次々に、オーダーされた品々を作ります。つまり自分だけの寝具を作ることも可能ということ。熟練の職人さんたちが手掛ける品の使い心地は、自ずと違いが生まれます。「少ない数でも注文を受けています」と。例えば、京都の名旅館で知られる「俵屋」さんのために作ったり、いろいろなラグジュアリーホテルなどにも、そのお部屋やご要望に応じた寝具を納めているそう。
次ページに続きます。
他ではできないオーダー寝具。最近、頭をすっきりさせると注目されているのが、ちょこっとお昼寝。それにぴったりの三角錐の「テトラ」は、座る人の体にフィットし、安心感と心地よさに包まれるよう…。好みの色でのオーダーも可能で、インテリアにマッチしたものを作ることができます。あまりに快適すぎて、ちょこっとお昼寝では済まなくなりそうな感じも…。
さらに大東社長が眠りのために開発したものには、素肌にやさしい「京和晒綿紗」という上質のガーゼ素材や近江麻を使用したリネンのファブリック製品。まるで空気を纏ったような着心地のパジャマをはじめ、肌にまとわりつかず涼しく眠れるナイティーやシーツなども品数豊富に揃っています。赤ちゃんの柔らか肌も安心のベビー用品などは、プレゼントにおすすめ。
あらゆる品が、丁寧に職人さんの技で作られ、大量生産品とはやはり異なる使い心地が。
さて、私、「ねむりの蔵」に置かれたベッドの上に横になり、自分に合った枕を探します。ダウンやそば殻、ビーズなどの素材から自分好みのものを選び、さらに高さを調整します。
ホントは、寝具をすべて新調したいところですが、まずは枕から…。これでもかなり寝心地に変化が…。ぐっすり眠れた夜になりました。
年齢と共にやはり体も変化しているのでしょう。
「眠りは、美人を作る…」普段ご愛用の寝具…本当に今の自分に合ってますか?
大東寝具 ねむりの蔵
京都市伏見区横大路下三栖山殿66-2
☎ 075‐622-6245 9:30~18:00
定休日:土・日曜・祝日(ただし祝日のある週の土曜日は営業)
交通:京阪本線「伏見桃山駅」または「中書島駅」から徒歩20分。
予約で最寄駅までの送迎あり。
小原誉子
ブログ「ネコのミモロのJAPAN TRAVEL」