顔のたるみは顔だけが原因ではありません。実は首の筋力低下が隠れ要因なのだそう。そこで首の強化術を宝田恭子先生が指南! 2回に分けてご紹介します。
首
首の筋肉がたるむと顔の
筋肉が下に引っ張られる!
たるみに深く関係しているのが実は首の角度だと歯科医師の宝田恭子先生。
「顔の表情筋に、口角から首を通って胸の上部につながる広頸筋(こうけいきん)という筋肉があります。また、それを下から支えるのが耳の後ろから鎖骨につながる胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)。この筋肉は頭が上半身に真っすぐにのった正しい姿勢のとき、鎖骨から耳の後ろに向かって約60度の角度になります。でも猫背で首を突き出した姿勢を続けると胸鎖乳突筋が垂直になって正しく使われず、広頸筋とともにCの字にたるみます。すると口や頰が下に引っ張られ、たるむのです」
これを防ぐには正しい姿勢を保つことはもちろん、首の筋力強化も不可欠。
「首の広頸筋や胸鎖乳突筋のほか、首の後ろの僧帽筋や広背筋も鍛える必要があります。僧帽筋や広背筋は腰までつながり、衰えると顔の筋肉を後ろから引っ張ることができず、たるみやすくなるからエクササイズで鍛えて!」
宝田恭子さん
1956年生まれ。宝田歯科医院院長。歯科医師。歯科医療に表情筋トレーニングを取り入れた健康・美容法を提唱。自らも継続し、若さをキープ
胸鎖乳突筋が60度ならたるまない!
たるまない姿勢(写真右)
たるまない正しい姿勢だと、胸鎖乳突筋が、鎖骨から耳の後ろに向かって後方に約60度の角度で走っています。
椅子に座ったとき、首と頭を後ろに引き、骨盤は真っすぐに立てて、左右の骨盤の上に真っすぐ上体をのせるように意識すると、正しい姿勢になります。
たるむ姿勢(写真左)
猫背で首を突き出した姿勢だと胸鎖乳突筋が垂直になって正しく使われず、あご~首がCの字になり、たるむ元に。
猫背になると、骨盤が後傾し、重心が後ろにいって悪い姿勢に。首が前に出ているせいで、首の筋肉がたるみ、顔も下に引っ張られて、たるみやすくなってしまいます。
次回は「宝田式ネック筋トレ」のエクササイズをご紹介します。
撮影/城 健太(vale.) ヘア&メイク/AKANE イラスト/シママスミ
取材・原文/和田美穂