たるみを年齢以上に加速させてしまう顔まわりの4つの筋肉グセ。たるみの改善には、まず体全体の筋膜のよじれを解消することが不可欠です。前回に続き、全身の筋膜リリースの方法を理学療法士の竹井仁先生が解説。さっそく実行してみて。
筋 膜
筋膜がよじれると顔の筋肉が正しく動かず、たるみが発生
「筋膜は、全身の筋肉をボディスーツのように覆っていて、筋肉の中にもり込んでいます。筋膜は全身がひと続きなので、一部の動きが悪くなるとよじれた状態になります。顔のたるみが生じるのもこれが関係しています。頭が体の真上にのった正しい姿勢だと、頭部の前後の筋膜のバランスがとれ、顔の筋肉も柔軟でたるみが生じません。でもスマホなどを見て、猫背で首を前に出した姿勢が続くと、頭の後ろや首の前側などの筋膜が硬くなり、全身の筋膜がよじれます。すると顔の筋肉の動きが悪くなり、重力に負けてしまい、たるんでしまうのです。
こんな状態でいくら顔を動かす体操やマッサージをしてもたるみは改善しません。まずは全身の筋膜リリースで筋膜のよじれを解消して姿勢を整え、次に顔の筋膜リリースをすることが不可欠なのです」
竹井 仁さん
Hitoshi Takei
1966年生まれ。理学療法士。医学博士。首都大学東京大学院および同大学健康福祉学部理学療法学科教授。医学に基づく筋膜リリースの第一人者
片脚前の全身筋膜リリース 左右 30〜45秒ずつ
手を机につけたまま、今度は体をひねって、縦方向だけでなく、斜め方向の筋膜のよじれを解消。
1 左脚を前に出し、膝を曲げる
両手を机につき、左脚を前に出して軽く曲げます。右脚は後ろにつけて膝を伸ばし、床の中に入り込んでいくイメージで下へ伸ばします。
2 左手を真っすぐ上に伸ばす
そのまま左手を体の延長線上に上げ、真っすぐに伸ばして、30~45秒キープ。右脚は下方向へ伸ばしたまま行いましょう
3 上体を左後ろにひねる
左手を上げたまま、上体を左後ろにひねって30~45秒キープ。顔も腕のほうに向けましょう。終わったら反対側も同様に行って
最後は猫背姿勢を正す効果のあるエクササイズです。
肩甲骨引き起こし 1回 30〜45秒
続いて、たるみの原因となる猫背姿勢を正す効果のある、肩甲骨まわりの筋膜のリリース。
1 両腕を真っすぐ前に伸ばす
上体を真っすぐにして椅子に座り、膝が股関節よりも高めの位置になるように調整します。両腕を肩の高さに上げ、真っすぐ平行に前に伸ばし、顔は下に向けます
2 肘を肩の真横まで引く
顔を起こしてあごを引き、胸を張ります。腕を肩の高さに保ったまま、左右の肩甲骨を寄せることを意識し、両肘を曲げて引けるだけ後ろに引き、胸を伸ばして30~45秒キープ
3 そのまま腕を立てる
肘を肩より少し前に戻し、手のひらが前を向くように、肩甲骨を起き上がらせながら腕を立てます。肘を肩の高さに保ったまま30~45秒キープ
次回は顔の筋膜をリリースするエクササイズをご紹介します。
Tシャツ¥4,900・パンツ¥16,000/ル・ピボット
撮影/城 健太(vale.)
ヘア&メイク/田村俊人(DIMPLY)
モデル/TOSHIKO
取材・原文/和田美穂