東京—ブリュッセル 9090マイル
イスラエルでは死海の塩を、アゼルバイジャンでは原油を、韓国では高麗人参(特に高級な6年根紅参)を、ブルガリアではヨーグルトを、全身に塗りたくっては、ご当地名産エステの研究を続けて早30年。このたびは、ベルギーでチョコレートエステに挑戦しました。
場所は、ブリュッセルの住宅街にある‘World Beauty Center ’。
ワールドビューティセンターというスケールの大きな名前のため、巨大な施設を想像していましたが、
意外なことに個人経営のこじんまりとしたサロン。
オーナーのマーチンさんが、ミネラルが豊富で殺菌効果のあるカカオの成分を使ったオリジナルの化粧品を作り、「チョコウエルネススパ」というコースを作ってから17年め。パラメディカルマッサージ(準医療マッサージ)とフィジオセラピスト(理学療法士)の資格をもつスタッフが施術をしてくれます。
チョコウエルネススパの美味しいトリートメントは3ステップ。
1)チョコレートスクラブ
まずは、カカオの香りかぐわしいスクラブで、古い角質を取り除き、新しい角質層の保湿をします。
2)チョコレートラップ
全身をラップで包み込み、最新鋭のコクーンマシーンの中で20分間あたたまりながらリラックス。肌の中にチョコレートの香りがしみ込んでいくのがわかります。芯まで温まったら、このマシーンの中で横たわったまま、あたたかいシャワーを浴びて、チョコレートコーティングを落とします。
見よ!最新美容兵器、コクーンマシーン。
温まっております。チョコレート工場にいるようです。
3)チョコレートバターマッサージ
濃厚なチョコレートバターでマッサージ。なんで贅沢な!と驚くほどの大量チョコレートをたっぷり使います。カカオオイルに含まれるカフェインによってスリミング効果、ミネラル成分による美肌効果、チョコレートの香りによるリラックス効果があるそうです。
パラメディカルマッサージとフィジオテラピストの資格をもつセラピスト、マーチンのマッサージはツボをはずさず的確。肩こりのひどい私にも満足の力強さでした。
オーナーのマーチン曰く、
「チョコレートのうっとりするような香りが全身からほのかに漂うようになるから、恋人と会う前に受けると最高なんだよ。すべすべの肌と甘やかな香り「思わず食べたくなるカラダ」になれるからね」
・・・・だそうですよ、みなさま!
World Beauty Center
Place du Tomberg 5, 1200 Woluwe-Saint-Lambert, Belgia
http://worldbeautycenter.be/en/
おひとりさまにオススメ! 井原さんがブリュッセルで必ず泊まるホテルとは?
ブリュッセルの定宿
おひとりさまに快適なTHE HOTEL
私の愛する『THE HOTEL』。
ブリュッセルに来る時は、必ずここに泊まっています。
このホテルは、2010年までヒルトンでしたが、スエーデンの会社が買収し、バルセロナを本拠地とする有名な建築家集団GCAが改装。
大きなガラス越しにブリュッセルの街を見下ろせる部屋に到着したとたん、「キター!」とテンションがあがります。
快適そうでしょ!
おすすめはラウンジにアクセスできるクラブフロア。ひとり旅のときって、なんとなく食事に行くのが面倒くさいときってあるじゃないですか。そんなときに、ラウンジに行けば、シャンパンもベルギービールもミネラルウォーターも飲み放題で、軽食もあるので、「今日のご飯はこれでいっか」で済んでしまう。このホテルに限らず、ひとり旅のときは、ちょっと奮発してラウンジにアクセスできるクラブフロアを予約するようにしています。
クラブラウンジの一角は、快適なウォーキングスペース。
画期的なのは、冷蔵庫に入っているドリンクはすべて無料なこと。「水を一本飲んだから精算しないと、なんて忙しい人にとって面倒くさいじゃないですか。だから、このホテルは、楽しんでもらえる飲み物を各種揃えておいて、無料で飲んでいただくことにしているんです」
滞在中、毎日補充してくれます。
オーガニックのレモネード、ガス入りとガスなしの水。赤と白のワイン、ビールにコカコーラ。実はシャンパンも入っていましたが、それは早速私が飲んでしまったのでした・・・。
THE HOTELのユニークな点は、嗅覚へのアプローチ。一時間おきに5分間、特別なパフュームがホテルの公共部分に散布されます。パフュームの名前は『Le Parfum 』 。ホテルの名前は「ホテル」でパフュームの名前は「パフューム」ですよ。どうですか、このわかりやすさ!
バニラとウッド、たばこの香りが混じり合った、一言でいうとデキる男の香り。仕立ての良いスーツを着こなしたキリッとしたイケメンとすれ違ったときに、かすかに「あ・・・(ときめき)」と思う、あの感じ。
このパフュームは、レセプションで購入できます。私も夫のために一本購入しました。
Le Parfume 25ユーロ
一階にあるメインレストランも、ひとり旅に居心地の良い空間。窓際に座って風に揺れる木々の葉を眺めたり、音楽を楽しみながら、ヨーロッパの秋の長い長い夜を楽しむのにぴったり。料理は、ヨーロッパの料理にタイ料理のテイストを加えたそうです。ヨーロッパ料理の塩と胡椒とオリーブオイルに飽きてきたってときに、香辛料や唐辛子がぴりっと効いていて「これよ、これ。足りなかったのはこの味!」という気持ちになるはず。
料理は、ヨーロッパの料理にタイ料理のテイストを加えたもの。ハーブと唐辛子がきりっと料理の味を引き締めます。
スイーツ王国ベルギーに来てスイーツを食べないなんてありえません。パリっふわっサクッとさまざまなテクスチャーが楽しいソルベのデザートに。
オランジェリー(温室)風レストラン。見上げると、風に揺れる木々が風を感じさせてくれます。
と、いろいろ素敵なところはありますが、ホテルの目玉としてご紹介したいのが、コンシェルジュのフィリップ。コンシェルジュの力量は、ホテルのクラスをそのまま反映します。力があって、センスが良いコンシェルジュがいれば、予約の取れないレストランやエンタメの予約もしてもらえるし、「こんなものが欲しいんだけど」という曖昧な疑問にも的確に応えてくれるもの。彼のオススメはいつだって完璧に信頼できます。今回、彼のおすすめで行った美味しいレストランに関しては、ブログ『世界千都市ものがたり』 に書きましたので、ぜひご確認ください。
The Hotel. Brussels
Boulevard de Waterloo 38
1000 Brussels
T +32 (0)2 504 11 11
F +32 (0)2 504 21 11
旅のブログ 『世界1000都市ものがたり。』