日本にはたくさんの温泉がありますが、大分県竹田市の長湯温泉には世界的にも数少ない重炭酸泉があります。パワフルな健康効果があると聞いて以前から興味津々。先日、ついに訪れることができました! 向かったのは2019年にオープンした「クアパーク長湯」。歩行湯や露天風呂、ジャグジーなどがある温泉棟、宿泊棟、レストランを備えた温泉療養複合施設です。
「クアパーク長湯」は大分空港からクルマで1時間半。山々の大自然に囲まれた芹川のほとりにあります。こちらは温泉棟のエントランス。素朴な雰囲気のこの界隈にあっては、かなりオシャレなイメージです。
長湯温泉の歴史は古く、最古の文献は奈良時代の「豊後国風土記」にさかのぼります。江戸時代には湯治場として栄え、昭和の時代にドイツで温泉治療学を学んでいた松尾武幸博士によってその泉質が研究されました。1987年に花王の温泉調査により長湯温泉の炭酸ガス濃度が湯温40℃を越えるものとしては極めて高く、国内では比類のない貴重な温泉であることが判明したそうです。
温泉棟内にある往復100mの歩行湯。重炭酸浴をしながらゆっくり運動できて、寝湯や足つぼ刺激を楽しめるゾーンもあります。
長湯温泉は地下水に高濃度の炭酸ガスが溶解していて、さらに血管を拡張させる重炭酸イオン(アルカリ性のミネラル)が多く含まれているのが特長。天然の炭酸ガスは高温だと抜けてしまうため、ぬるめの湯がたくさん湧き出る長湯温泉は高濃度の重炭酸浴ができる希少な場所なんです。カルシウムやナトリウム、鉄分などの温泉成分がとても豊富で、数年すると排水口に成分が石のように体積してしまうほど。
こちらは芹川を眺めながらのんびり重炭酸浴ができる露天風呂。歩行浴と露天風呂は男女混浴で、水着を着用して入ります。
重炭酸泉の有効成分である重炭酸イオンは毛穴や汗腺から血管に浸透し、血管拡張物質の産生を促します。そのため血行促進効果が高まり、酸素を運んだり老廃物を排泄するなどの作用があって健康維持や免疫力の向上、不調の改善に期待大。高血圧などの病気予防をはじめ、肥満、不眠、肩こりや腰痛、更年期症状、薄毛…と、あらゆるお悩み解消を求めて多くの人がここを訪れるそうです。
温泉棟には男女別の内風呂もあります。お湯の手前に浮いているのは湯の花。内風呂の様子からも、温泉成分が濃厚なのがわかりますね!
重炭酸浴のもうひとつの特長は、肌や髪の汚れを落としてくれること。そのため、「クアパーク長湯」には石けんやシャンプーなどの洗浄料は置いていません。それだと、お湯が汚れてるんじゃないの!?って思いますよね。ここでは毎晩お湯をすべて抜いて清掃し、翌朝までに新しいお湯を入れているんです。スタッフの方が水質管理をしている現場も目撃したので大丈夫♡
宿泊棟はプライベートが守れるコテージで、シングルルームとツインルーム、天窓のあるロフト付きツインルームがあります。温泉棟、レストランともに施設内の建物は建築家の坂茂(ばん しげる)氏による設計。自然の景観と一体化する木造建築が滞在を心地良くしてくれます。
こちらは私が泊まったツインルーム。1人だったので、ベッド1つはしまってあります。木材が生かされた可愛らしい空間で、ホテルというより自宅にいる気分。すべての部屋にウッドデッキが付いていますが、今回はのんびりくつろぐ時間がなくて残念でした~。
滞在のレポートは後編で紹介します。
●クアパーク長湯
大分県竹田市直入町長湯3041-1
☏0120-381-126
https://www.kur-nagayu.co.jp/
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