毎日のお手入れは、髪や頭皮の状態を健やかに保つために不可欠。その要になるのがシャンプーと育毛剤です。それぞれの役割や正しい選び方・使い方の疑問にお答えします。
お話を教えてくれたのは…
仲西城太郎さん Jotaro Nakanishi
資生堂グローバルイノベーションセンター マネージャー。毛髪科学の基礎・応用研究に専門的に従事する。開発を担当した「ザ・ヘアケア アデノバイタル」のエッセンスは、2011年の発売開始から累計300万本を超える大ヒットとなり、頭皮ケア市場を牽引
伊熊奈美さん Nami Ikuma
1972年生まれ。美容エディター。女性誌編集部の美容担当を経てフリーに。ファッション誌などでヘアのテーマを数多く担当する。毛髪診断士の資格を持ち、大人女性のヘアケアサイトの監修のほか、セミナー講師としても活動中。今回の特集も担当している
Q・01 いろいろなシャンプーがあって、どれがいいかわかりません。
A 「特にトラブルがないときは、洗浄成分がアミノ酸系のものなど、汚れをしっかり落とし、肌本来の潤いは落としすぎないものを。皮脂が出やすい部位でもあるので、週に1~2度はディープクレンジング系シャンプーを取り入れるのも◎。こちらはヘアカラーのあとにもおすすめです」(伊熊さん)
Q・02 育毛剤と頭皮用美容液ってどう違うの?
A 「発毛や育毛を最優先とした医薬品や医薬部外品が『育毛剤』。また、いい髪が生えやすい頭皮環境を整えるための独自成分を配合した、化粧品に分類されるものは『頭皮用美容液』などと呼ばれることが多いようです。どれを選んでも重要なのは、毎日継続的にケアすること。自分にとって使い心地のよいものを選びましょう」(伊熊さん)
Q・03 頭皮マッサージって必要? どんな効果があるの?
A 「髪の強さや太さは血行のよさが決め手になります。筋肉のない頭頂部は、構造的に血流が滞りがち。頭皮を動かして、髪の1本1本に血流を行き渡らせるようにマッサージをすることで、成分が届くと同時に、血行アップも図れます」(仲西さん)
髪の太さは血行次第!
資料提供/資生堂
このように緻密な毛細血管に包まれた毛根からは、太くて強い毛が育ちます。この血流が少ないと、細く痩せた髪が育ってしまいます
Q・04 育毛剤は夫婦で共用していいものでしょうか?
A 「市販されている医薬品のミノキシジル製剤は、男性用と女性用とでは配合率が違い、共用できませんが、医薬部外品は男女共用できます。資生堂の『アデノバイタル』の場合、有効成分のアデノシンは『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン』で男女ともに効果があると認められています。ホルモンに作用する成分ではありませんが、成長期と休止期のサイクルが乱れた更年期の女性にもおすすめです」(仲西さん)
イラスト/かくたりかこ 取材・原文/伊熊奈美