この頃はすっかり秋めいてきましたね!気持ちのいい季節ですが、実は秋は「抜け毛が増える」って知っていましたか?そこで、秋の抜け毛のメカニズムや対策について、女性の頭髪悩みの専門医・Dクリニック東京ウィメンズ院長の浜中聡子先生に教えていただきました。
Dクリニック東京 ウィメンズ院長
浜中聡子先生
Dクリニック東京 ウィメンズ院長。15万人の働く女性の頭皮を救ってきた、女性専門・頭髪治療の第一人者。
◆秋に抜け毛が多くなるには理由があった!
秋は夏のダメージが蓄積しがち。夏は暑いからとつい食事を麺類で済ませていませんでしたか? そうすると髪の原料となるたんぱく質が不足し、抜け毛を誘引することも。さらに、頭皮や髪は夏の間ずっと強い紫外線にされていましたが、秋にも紫外線量は変わらず、夏から積み重なったダメージが抜け毛の原因になるのだそう。
そのうえ、秋は残暑が厳しい日があったかと思えば、急に冷え込んだりと寒暖差が激しい季節。すると自律神経やホルモンバランスが乱れやすくなり、薄毛や抜け毛が助長されることもあります。
◆さらに今年は「コロナ抜け毛」リスクも!
季節による原因のほか、今年はコロナ禍での生活の変化も、抜け毛の原因になってしまうとか。
今年は、思うように外出できない日々が続いていますね。テレワークや外出を控えることで運動不足になると血流が滞り、髪の根元にある毛母細胞に栄養が届きにくくなります。すると、髪が十分に成長できず伸びる途中で抜けてしまうことに。血流が届きにくい頭頂部から、だんだん薄毛が目立つようになってしまうそうなので、気をつけないといけませんね。
外出しないと、髪も汚れていないしとシャンプーを省略する人も。でも髪や頭皮は気づかないうちに皮脂やホコリで汚れており、毛穴が詰まると発毛の妨げに。また、シャンプー中の頭皮の刺激で頭皮の血流もよくなるので、シャンプーしないと血流が悪くなり、髪の根元の毛母細胞まで栄養が行かなくなってしまいます。
また、制限の多い毎日にストレスを感じる人も多かったのでは。ストレスが溜まるとホルモンバランスや自律神経が乱れ、薄毛や抜け毛を助長することもあるんだそう。
季節だけでなく、「コロナ抜け毛」もあり、今年の抜け毛リスクはいつもの2倍も!これはしっかりと対策をしておかないといけませんね。それでは、どのような対策をしたらいいか、見ていきましょう。
◆日常生活でできる秋の抜け毛対策
【1】良質なたんぱく質をしっかりとる
髪はたんぱく質でできているので、良質なたんぱく質をとることが大切。髪にいいとされる食材は、良質なたんぱく質が豊富な「魚介類」「豆類」「海藻類」「野菜類」「ナッツ類」「キノコ類」「いも類」の7種類。これらの食材を意識することで、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、炭水化物をバランスよくとることができます。
せっかくなので、秋の味覚の「さんま」「さつまいも」「まつたけ」「落花生」といった食材を楽しみながら、美髪をめざしていきましょう!
【2】1日6時間の睡眠をとって朝型生活を
家にいる時間が長いとつい夜更かしをして夜型になりがち。でも、髪は寝ている22~2時ごろに分泌される成長ホルモンによって成長するので、夜更かしで睡眠時間がずれると髪の成長を妨げる可能性も。1日6時間以上の十分な睡眠をとって、朝早く起きるようにしましょう。
【3】適度な運動をするよう心がける
出かける機会が減ったり、在宅勤務をしたりしていると、どうしても運動量が減ってしまいますよね。「座りっぱなしが続いているかも」など動いていないな、と思う時は気分転換も兼ねて、無理のない範囲でウォーキングなどの軽い運動をしましょう。
【4】正しいシャンプーで頭皮環境を整える
出かけない日はシャンプーを省略してしまうこともあるかもしれませんが、これは頭皮環境にとってはNG。家にいても皮脂が詰まったり頭皮が汚れたりするので、その日の汚れは夜に落として頭皮環境を整えましょう。逆に洗いすぎも皮脂を摂りすぎてしまい、過剰に皮脂が分泌するケースもあるので避けて。
※個人差や季節によって適当な頻度が変わるので、髪の様子を見て判断しましょう。
せっかく気候がよく食べ物もおいしい秋。旬の味覚を楽しみながら景色のいいところをウォーキングするなどで、楽しみながら抜け毛対策をしましょう!
◆資料提供/Dクリニック東京 ウィメンズ
構成・文/倉澤真由美