秋は夏のダメージが頭皮に蓄積され、一年の中でも抜け毛が多い季節だということをご存知ですか? なんと通常の倍以上の本数が抜けてしまうこともあるのだとか! そこで今回は、頭皮の健康状態の見極め方やケア方法について、大正製薬の研究員・渡部佳子さんに教えていただきました。
◆健康状態を見極める「頭皮の信号」でセルフチェック!
頭皮の健康状態は、その色を確認するとわかるのだそう。「分け目がある人は普段の分け目と別のところの髪を分け、髪を持ち上げるようにして頭皮が見えるようにしてみてください」(渡部さん)。
頭皮を鏡に映したり、家族など身近な人に見てもらったりして、下記の写真と見比べて、どの色に近いかをチェックしましょう。色味ごとに、状態やケア方法などをご紹介します。
●頭皮が青白い:健康的ないい状態
・頭皮と髪の状態
「青白い頭皮は、とても健康な状態。皮膚のキメが整っていて、理想的な状態です。このような頭皮からは黒くてしっかりとした毛が生えてきます」(渡部さん)
・ケア方法
理想的な状態なので、それをキープするケアが大切。「保湿成分が入っているシャンプーを使ったり、スカルプエッセンスを使って頭皮のうるおいを維持し続けるのがおすすめです」(渡部さん)。
●頭皮が黄色い:注意した方がいい状態
・頭皮と髪の状態
「頭皮が黄色がかっている場合は、注意が必要です。頭皮は抗酸化力が落ちたり、血行不良が起きたりすると黄色がかった色になります。そこへストレスや紫外線の影響などが加わると、さらに状況が悪化します。このような頭皮からは、うねりのある髪が生えやすくなるほか、髪のハリ、コシが低下しがちです」(渡部さん)。
・ケア方法
黄信号の頭皮は、「抗酸化」「血行促進」がカギに。「ビタミンCやビタミンEなど抗酸化作用のある成分が入ったスカルプエッセンスを使ったり、サプリメントを飲んだりしましょう。また、シャンプーのときや髪を洗ったあとにマッサージをして、血流を良くするのもいいですね」(渡部さん)。
●頭皮が赤い:危険な状態
・頭皮と髪の状態
頭皮が赤みを帯びていると、炎症が起きていたり、よくない状態のことが多いそう。「乾燥やかゆみから発展して、頭皮が炎症を起こしている可能性が高い状態だと考えられます。日焼けや寝不足などの原因で一時的な場合もありますが、慢性的な炎症であるケースも。健康な頭皮の土壌が崩れ、健康な髪が生えにくく、抜け毛や白髪、髪ヤセを引き起こしがちです」(渡部さん)。
・ケア方法
かゆみや湿疹などがひどい時は、皮膚科を受診して対処することも大切だそう。「そこまででない場合は、刺激が少なく保湿成分が入ったシャンプーを選びましょう。ジャンクフードなど油っぽい食べ物の摂り過ぎに注意し、亜鉛、鉄などのミネラルを多く含む食事を心がけるといいですね」(渡部さん)。
私も鏡で自分の頭皮をチェックしてみたら、透き通るような青…とはいかず、少し日焼けしたようにも見える黄味を帯びた頭皮でした。美容院などに行くとよく頭皮が硬いと言われるので、血行不良もあるかも…。しっかりケアしないといけないな、と思いました。
髪の状態を良くするためにおすすめな、保湿成分の入ったシャンプーや、血行を良くし頭皮を保湿するスカルプエッセンスは、例えば次のようなものがあります。
〈保湿成分入りシャンプー〉
髪の水分や油分を補うことで、髪内部の髪密度を高めてハリやうるおいを高めます。天然植物由来の保湿成分を7種配合し、頭皮もケア。細く絡まりやすい髪には「スムース&ボリューム」、毛先がパサつく髪には「モイスト&ボリューム」がおすすめ。
〈血行を促進し頭皮を保湿するスカルプエッセンス〉
ボタニカル由来の有効成分を配合した自然派のアイテム。甘草やセンブリエキス、ニンジンエキスなどが、地肌の血行を促進。また、チンピエキスやユズエキスなどの保湿成分配合で、頭皮のうるおいを保ちます。
◆即効性が欲しいなら、ケラチンやシルク配合のアイテムを使って
ダメージを受けた頭皮には、日常生活でじっくりとケアをすることが大切。でも、すぐ髪の状態を何とかいしたい!と思うこともありますよね。そんなとき、スピーティに髪の状態をリカバリーする方法はあるのでしょうか?
「即効で髪の状態をよく見せたいなら、トリートメントやヘアパックで集中補修するのが手っ取り早いと思います。毛先の細部まで浸透し、傷んでスカスカになった髪にハリコシを与えてくれる、ケラチンやシルクなどを含んだものを選びましょう。うるおいを与えてなめらかな髪にしてくれる、オイル成分が入っているものもいいですね」(渡部さん)。
◆冬はさらに乾燥ダメージに注意を!
秋が過ぎるとより乾いた空気の冬が待っています。髪の毛はもちろん、頭皮も乾燥に注意が必要なのだそう。
「冬場は乾燥させないよう、頭皮にはスカルプエッセンスを、髪にはオイルやクリームでコーティングして、より一層うるおいをキープすることが大切です。乾燥している状態だと、髪同士がこすれたりブラッシングによっても髪表面がダメージを受けてしまいます。枕とこすれるのもダメージになるので、寝る前に洗い流さないトリートメントをつけたり、髪の長い人は軽く結んで寝るなど摩擦を減らしてあげましょう」(渡部さん)。
また、寒い冬は、頭皮の血行も悪くなりがち。しょうがなどの体がポカポカする食材をとるのは、頭皮や髪にもよいことなのだとか。紅茶にしょうがを入れて飲んだり、手軽に体を温めることを心がけておきたいですね。
夏のダメージが残る秋、乾燥が激しい冬もしっかりケアをして、理想のツヤ髪になって春を迎えましょう。
教えてくれたのは
渡部佳子(わたべ・けいこ)さん
大正製薬株式会社セルフメディケーション開発研究所所属。2007年に入社来、OTC医薬品、ヘアケア商品の開発に従事。現在、毛髪科学や皮膚科学に基づく製剤の開発を担当。
◆資料提供/大正製薬
取材・文/倉澤真由美