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【白髪は治療する時代】その方法はなんと、再生医療から生まれた白髪注射!?「50代白髪調査隊がゆく! 白髪の悩みQ&A」

白髪お悩み歴15年。50代後半になってもいまだ白髪対策迷走中のセトッチが、白髪の悩みを解消すべく、情報収集に奔走する連載。今回からは2回にわたり、再生医療を応用した「白髪注射」を取材。白髪やダメージなど、さまざまな髪悩みの解決法を模索してきたOurAge編集部員のギリコとともにその正体に迫ります。

「お話を伺った方」

廣瀬嘉恵
廣瀬嘉恵さん
医学博士。 銀座よしえクリニック 総院長
公式サイトを見る

1995年、東京大学大学院医学研究科修了。東邦大学付属大橋病院皮膚科勤務を経て、2003年、医療法人社団 優恵会 銀座よしえクリニック大岡山院(旧ひろせ皮フ科)開設。2015年、銀座よしえクリニック総院長に就任。銀座・大岡山・表参道・都立大学・新宿・池袋・横浜の7つのクリニックを展開。著書に『美容皮膚科医が本気で教える肌の悩み別対処法 「若いね」といわれる美肌づくり』(角川フォレスタ)。

 

今注目の再生医療を応用した白髪治療をレポート!

セトッチ:この連載ではまず4社総勢5名の髪の研究者に黒髪が白髪になるメカニズムや髪のエイジング対策などについて取材しました。そのあとは白髪染めをしている人に向け、ギリコさんおすすめのアイテムを合計42品紹介しましたが、その後また何かよいものは見つかりましたか?

 

ギリコ:ニヤリ)ケアアイテムではないのですが、興味深いものを見つけました! とあるクリニックが行っている治療に、なんと「白髪注射」というものがあったんです。

 

セトッチ:白髪注射?

 

ギリコ:そのクリニックでは薄毛や脱毛、白髪など、毛髪に関する治療を行っていて、そのひとつが「白髪注射」と呼ばれているのです。

今までこの連載では主に美容面から白髪ケアについてアプローチしてきましたが、白髪注射は医療面からの対策。いわゆる再生医療によって白髪の改善が期待できるというもので、今、私が最も注目している白髪対策です。

今や再生医療は美容の分野にもどんどん取り入れられていて、シミやシワの治療をはじめ、最近では、再生医療の応用から生まれた化粧品まであるんですよ。

 

セトッチ: 再生医療ってニュースなどでよく話題になっていますが、私はよく知らないんです。

 

ギリコ:では、簡単に説明します。

 

再生医療というのは、病気やケガなどで機能を失った組織や臓器を修復、再生する治療のこと。患者さん自身の細胞、あるいは他の人の細胞などを用いて、組織や細胞を人為的に作り出し、それを移植することで、失われた組織や臓器を再生するという治療のこと。もはやさまざまな治療分野において用いられているんですよ。

 

セトッチ:なるほど。組織や細胞を作り出すってなんだかすごい世界ですが…。でも、その技術でどんなふうに白髪を治療するのでしょうね?

 

ギリコ:ですから、今回はそのあたりをしっかりクリニックに取材しましょう!

今日お話を伺うのは、都内を中心に7つのクリニックを持ち、毎月20~30人、年間約300人が白髪治療に訪れるという「銀座よしえクリニック」の総院長の廣瀬嘉恵先生です。

〔上の写真:「銀座よしえクリニック」銀座院〕

 

白髪の進行を抑えて、黒髪を増やす

ギリコ: こんにちは、廣瀬先生。今日はよろしくお願いします。さっそくですが、先生のクリニックには、主にどんな患者さんがいらっしゃいますか?

 

廣瀬:治療に来られる方の年齢層は幅広いです。若い方ですと30代くらいから。いちばん多いのが40~50代の方ですが、さらに上の年代の方もいらっしゃいます。男性も女性もいらっしゃいますね。

 

ギリコ:髪の毛のお悩みとしては、どんなものが多いですか?

 

廣瀬:悩みの種類としては白髪の悩みをはじめ、薄毛に悩む方も多いです。特に女性は、薄毛と白髪の両方に悩んでいる方が多いです。また、治療に訪れた際の希望もさまざまで、「白髪を目立たなくしたい」「白髪がこれ以上増えないようにしたい」といったものから、「白髪を完全になくしたい」という方もいらっしゃいます。

 

セトッチ:白髪をすべてなくすこともできるんですか?

 

廣瀬:さすがにそれはできません。あくまでも「進行をくい止める」とか、「ある程度、黒髪の割合を増やす」治療だと説明しています。

 

ギリコ:治療にいらっしゃる方は、クリニックのホームページを見てくる方が多いのですか? それとも口コミとか?

 

廣瀬:ホームページを見てくる方もいますが、周囲の人に教えてもらって来院してみたという方も多いです。いわゆる口コミです。

 

 

セトッチ:治療によって白髪や抜け毛が改善されていると感じるのは、治療開始からどれくらいたったときなのでしょうか。

 

廣瀬:白髪や薄毛など髪に関する治療は、その悩みが改善されたのを実感するのにある程度の期間がかかります。ですから、その効果の有無や程度を判断するのに、最低でも2~3カ月、できれば6カ月はみてくださいと最初にお伝えしています。

それもあり、1クール(2週間に1回×5回)の治療が治療が終了したあとも、さらに治療を継続する方が多いです。

 

 

セトッチ:白髪や薄毛の治療効果を実感するのに時間がかかるのは、なぜでしょうか?

 

廣瀬:それは、毛髪は伸びるのにある程度時間がかかるからです。

髪の毛はだいたい1カ月に1cm伸びるといわれていますよね。その間に産毛がちょっと出てきても、目視ではあまりよくわからないのです。

 

最初はひょろっとしていた産毛がだんだん太くなり、コシも出てきて長くなっていくのですが、そのくらいになってようやく自分でも実感できるようになるのです。

個人差もありますが、そこに至るまでには最低でも2~3カ月、通常は半年くらい見ていただきたいなと思っています。

 

セトッチ:ちょっと長い目で見ないといけないということですね。

 

廣瀬:はい。ただ、見た目には実感できなくても、例えば「そういえば、洗髪の際、抜ける髪の量が少し減ってきた」と治療開始から1カ月くらいで効果を感じたという人もいます。

 

セトッチ:なるほど。すごく興味がわいてきました。ではどんなふうに〝白髪を治療する〟のか教えてください。

 

 

「髪を作る細胞」と「色素を作る細胞」を活性化

廣瀬:まず白髪になるメカニズムをご説明し、そのあと治療の内容についてお話ししますね。

 

髪は頭皮にある毛根から生えているわけですが、その毛根部分に「髪の毛を作る細胞(毛母細胞)」があります。この毛母細胞を活性化することで、発毛・育毛を促します。

 

また、白髪を改善するには、髪の色を司る細胞にもアプローチします。

 

というのも、髪の毛はつくられたときは、もともと透明(無色)。それが、毛根にある「色素を作るメラノサイト」で作られた色素で色がつけられて、黒や茶色の髪の毛として生えてきます。

 

ところが、それらの色素を作る細胞の働きや、色素を毛髪に受け渡す機能が弱くなっていると、髪に色がつかないまま生えてきてしまい、白髪になります。色素を作る細胞の働きを元気にしてあげることで、白髪の進行を抑えることが可能になります。

 

セトッチ:「髪を作る細胞」や「色素を作る細胞」の働きが弱くなってしまうのはなぜですか?

 

廣瀬:その原因はいろいろあって、加齢や遺伝のほか、外部からの刺激、精神的なストレス、不規則な生活、栄養不足、ホルモンバランスの乱れ、などが影響します。

 

セトッチ:では、その「毛髪を作る細胞」と「色素を作る細胞」の働きを活性化すればよいということですね。どうやってこれらの細胞を元気にするのでしょうか?

 

廣瀬:細胞そのものが死んでしまっていたら、もう対策がないのですが、今挙げたような原因でダメージを受け、「髪を作る細胞」や「色素を作る細胞」の働きが弱くなっているだけであれば、細胞の機能を以前のレベルに戻してあげることで元気な髪が生えて、髪色の回復も期待できるというわけです。

 

 

毛根に栄養を与え、頭皮の血流を改善。さらに…

廣瀬:当院では3つのアプローチで白髪の原因を解消し、白髪を抑えて黒髪が生えるようにサポートします。

 

ひとつ目は、髪の毛を再生するための栄養補給。髪の毛を作るもとになる毛母細胞や、色素を作るメラノ細胞に栄養を与え、細胞の働きを活性化します。

 

ふたつ目は、血流を改善すること。毛髪の成長に必要な栄養は、血液によって毛根に運ばれてきますので、血流が悪いと必要な栄養が届かず、脱毛や白髪の原因になります。

 

セトッチ:これは、わかりやすいです。髪も皮膚や筋肉と一緒で、材料となる栄養がないと作ることができないですもんね。

 

廣瀬:はい。これが当院で使用している「Cellbooster®HAIR (セルブースターヘア)」という薬。特許取得のCHACテクノロジーを使用し、頭皮に栄養を与え、毛根の強化と毛髪の成長の促進、抜け毛や脱毛症、白髪を予防します。

〔上の写真:これがCellbooster®HAIR (セルブースターヘア)〕

 

セトッチ:どんな栄養を与えるのですか?

 

廣瀬:おもな成分は3つ。

まずは、ヒアルロン酸。ヒアルロン酸は、毛髪繊維に浸透し、頭皮深層部へ潤いを与えます。また、高い保湿効果により、頭皮の乾燥を防ぎ、健康な毛髪の成長を促進します。

次にアミノ酸。これは、毛髪の主成分であるケラチンの生成をサポートし、毛髪の強度と弾力性を向上させます。また、強力な抗酸化効果をもたらし、髪質を改善。髪に活力を与えます。

そして、最後はビタミン。毛嚢の老化と若白髪の発現を遅らせて脱毛と白髪を予防します。特にビタミンB群やビタミンEは、頭皮の血行を改善し、毛根の健康を保つ働きがあります。

 

そのほか、血管壁を強化し、循環を改善して頭皮内の血流をよくする「ルチン」、髪の老化に関与する活性酸素による髪の酸化を抑える「ナイアシン(B3)」、細胞免疫機能を強化し、 頭皮・毛髪の酸化を予防する「グルタミン」、タンパク質の代謝を促進し、 髪の新陳代謝を活性化させて育毛をサポートする「亜鉛」、髪を作るもととなるケラチンの合成に欠かせない「システイン」など、さまざまな成分が含まれています。

 

セトッチ:なるほど。どれも髪に栄養を与えて、血流を改善する成分なのですね。育毛剤や頭皮ケアエッセンスなどの成分として、耳にしたこともある成分も含まれますが、自宅やサロンで使用する、発毛剤や育毛剤、頭皮エッセンスなどとの一番の違いはなんですか?

 

廣瀬:それはもちろん、これを注射によって毛根に直接届けるということです。

 

セトッチ:でも、これらの栄養を入れるだけだったら、私のように注射は苦手だという人は、エッセンスを頭皮に塗布してマッサージなどでなじませる、という方法でも十分な気がするのですが、それではダメでしょうか。

 

廣瀬:頭皮に塗布した場合だと、期待できるのは頭皮の表面から吸収される経皮吸収のみになりますよね。経皮吸収では塗布した成分を100%吸収することはできません。その点、注射ですと、頭皮の下の細胞組織にこれらの成分を直接注入することができるので、吸収率がよいのです。

 

セトッチ:なるほど…そう言われれば、確かにそのとおりだとは思うのですが…。

 

ギリコ:ちょっと横から失礼しますね。注射で成分を頭皮に与えることができるというのは、まさに医療の分野だなと思いますが、「白髪注射」が白髪改善に対してより期待できるのは、単に直接注入するという「吸収の効率のよさ」だけではないですよね? 確か、注射する成分も、医療ならではのものがあると伺いました。

 

廣瀬:はい。それが先ほどお話しした〝当院が行っている白髪への3つのアプローチ〟の3つ目、「CPC-PRP®」になります。

 

ギリコ・セトッチ:「CPC-PRP®」

 

廣瀬:これは再生医療の分野で、「成長因子を刺激する」という治療になります。

 

ギリコ・セトッチ:成長因子~?

 

 

廣瀬:患者さんの血液を採取して、そこから血小板(多血小板血漿/PRP)だけを抽出して濃縮したものが、CPC-PRP®。

 

これを、先ほどお話しした、ヒアルロン酸やアミノ酸などの入った薬剤「Cellbooster®HAIR(セルブースターヘア)」に1㏄プラスして頭皮に注射することで、成長因子が刺激されて細胞が活性化し、発毛・育毛を促すのです。

 

セトッチ:ひぇー。簡単に言うと、自分の血液から「血小板」を抽出し、それを濃縮して頭皮に注射するんですね。これが白髪注射の最重要ポイント、再生医療なんですね!

 

廣瀬:はい。「Cellbooster®HAIR (セルブースターヘア)」にCPC-PRP®を組み合わせたものが、「CPC毛髪再生プラス」という治療メニューになります。

 

CPC-PRP®は副作用もほとんどなく、治療効果も高いことから、白髪や薄毛に悩む患者さんにはCPC-PRP®をプラスした治療をおすすめしています。

 

ギリコ:確かに、それは新しい治療方法ですね。

この「CPC-PRP®をプラスした治療白髪」について、初歩の初歩から教えていただけますか。

 

廣瀬:もちろんです。セトッチさんにもわかるように説明しますから、質問があったらなんでも聞いてください。

 

セトッチ:先生、よろしくお願いします!(次回に続く)

 

取材・文/瀬戸由美子

※アイキャッチとして掲載の写真は、銀座よしえクリニックHP「ミノキシジル注射」より転載

 

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