【教えていただいた方】
大物女優や人気モデル、著名美容家から指名が殺到するほどの人気。さまざまな女性向けメディアの美容企画で、誰でも簡単に真似できて美人になれるメイクテクニックを紹介していて好評。著書に『スマイルメイク』(世界文化社)。 撮影/天日恵美子
MyAge、OurAgeをはじめ、数々のメディアのメイク特集で活躍する、ヘア&メイクアップアーティストの広瀬あつこさん。
広瀬さん自身が日々実践しているメイク術をご紹介する新連載です。
前回の連載「メイクのプロが実践!魔法の若返りテク」が大好評だったのにお応えして、第2弾がスタートしました!
広瀬あつこさんは、大人女性からも多くの指名を受ける人気のヘア&メイクアップアーティスト。
大人をイキイキと美しく変身させる天才です。
常識にとらわれない少し大胆なメイクテクニックで、エイジングが進んだパーツを修正し、無理なく若い印象に見せてくれます!
この連載では、「ちょっとだけズルい」目からウロコのメイクテクニックが目白押し。
顔立ちのエイジングで、メイクに悩む大人女性の皆さん、ぜひ楽しみになさってください。
今回のテーマは「鼻すっきりメイク」。
鼻の悪目立ちを抑えることで美人印象に。
「鼻すっきりメイク」とは?
そもそも鼻ってメイクが必要なパーツなの?と首をかしげる方も多いはず。
メイクといえばシミを隠したり、目、眉、口元などを整えるもので、鼻にフォーカスすることはあまりないはず。
でも、鼻は顔の中央に位置し、アイドルグループでいえばセンター。
そのパフォーマンス次第で、顔立ちの美しさが大きく左右されてしまいます。
特に、40代、50代になると「鼻のエイジング」も進み、アラが目立ってくるのに、ほかのパーツに比べてほとんど何もしていないのが現状。
広瀬あつこさんは、そんな手つかずの鼻をメイクすることこそ、大人の女性が美しく輝くカギだと言います。
今回ご紹介するのは、広瀬さん自身も気にしている「鼻の横広がり」をスッとした美人鼻に変えるメイクテクニック。
鼻クリップで団子鼻をととのえ、小鼻の赤みを消すだけで鼻があぐらをかいた印象が解消!
顔のセンターがスッとするので、顔全体があか抜けて見えます。
鼻クリップでむくみすっきり。
小鼻の赤みを消して、ほっそりとした美人鼻に
左はすっぴんの広瀬さん。
右の写真は鼻クリップを装着したあと、小鼻の赤みを消した顔。
鼻の横幅が目立たなくなり、小鼻も小さくなったように見えます。
鼻が悪目立ちしなくなったことで、ほかのパーツは何もメイクしていないのに、美人度がアップしました。
「私はもともと鼻がデーンとあぐらをかいていて目立つほうなんですが、マスク生活で鼻が押しつぶされ、呼吸が苦しかったからか、小鼻もさらに広がりました。またマスク内が蒸れていたので、以前より毛穴も気になるように」(広瀬あつこ さん)
「そもそも鼻はむくみがちなパーツ。年齢とともに代謝が悪くなり、以前よりボテッと大きくなったと感じている方も多いはず。また、小鼻にも小さな筋肉があって、年齢とともに衰え、だらんとなってしまうことでも鼻を悪目立ちさせてしまいます」
■プロセス1
鼻にクリップを装着
家事などをしながら、メイク前に30分くらい
ベースメイクを始める前、30分ほど鼻クリップで鼻を両脇からはさみます。
むくんで横に広がっていた鼻がタイトになり、鼻筋が通ります。
この鼻クリップは広瀬さんの私物。鼻クリップはネットなどで数多く販売されています。
鼻に当たる部分がシリコン製で、強く挟みすぎず、快適に装着できるものがおすすめです。
「私は朝、家事をしながらだったり、クルマを運転する間などに装着しています。鼻クリップのヒントとなったのは、自分の母親の鼻眼鏡。私の鼻は母に似ているのですが、母がリーディンググラスを鼻にひっかけるようにして過ごしたあと、鼻筋がすっきりしているのを見て、これだ!と(笑)」
■プロセス2
毛穴をカムフラージュ
毛穴消し下地を鼻の頭と小鼻に
毛穴消し下地を中指に少量取り、鼻の頭と小鼻に優しくすべらせるように塗ります。
凹凸がなめらかになり、1枚ベールをかけたように毛穴がカムフラージュされます。
「顔の中央で毛穴がぽっかり開いていると、他人の目線はどうしてもそこに行ってしまいます。ひと手間かかりますが、毛穴を埋めておくだけで鼻の悪目立ち感が消え、洗練された印象になります」
●ここで使用したコスメ
「開いてしまった毛穴に入り込み、肌をフラットに整える下地です。ジェルでもクリームでもない不思議なテクスチャーで、サラサラなシルキー肌に」
シルクセリシンパウダーが余分な皮脂を吸収。ヒアルロン酸やプラセンタエキスなどの美容成分がたっぷり入っているので、肌に負担になりにくい。
●セルフューチャー シルキーカバー オイルブロック 28g ¥7,124/アプロス
■プロセス3
小鼻の赤みをカバー
ジェルファンデーションをブラシづけ
肌にピタリと密着してヨレにくいジェルファンデーションを、ファンデーション用のブラシに取り、小鼻の脇になじませます。
眉間の間から鼻の頭へと、鼻筋にもブラシでジェルファンデーションを。
鼻の頭の赤みが消え、鼻筋がスッと通ります。
「小鼻の赤み消しにコンシーラーを使うのもよいのですが、カバーしたことがかえって目立ってしまったり、表情を動かすとヨレたりしがち。ジェルファンデーションなら赤みをほどよくカバーしながら、凹凸やゴワつきもなめらかにしてくれるので、仕上がりが自然。ヨレにくいのもおすすめな点です」
●ここで使用したコスメ
「最近お気に入りのファンデーションです。顔全体にのばしたあと、小鼻や鼻筋にも。小鼻の脇の赤みが消えて肌に均一感が出ると、鼻は不思議とほっそり見えます」
ぷるんとしたジェリー状のファンデーションが肌に溶けてなじみ、肌の中で形状復元。
美容液のようなスキンケア成分を配合し、つけている間じゅうハリケア効果を発揮。
エイジングによる毛穴目立ちも内側からなめらかに。
●スキンケア ジェリーファンデーション SPF16/PA+ 30g ¥16,500/カバーマーク
2023年9月1日発売。
──広瀬さんから、40代、50代のOurAge世代に向けてのメッセージです。
「先日、仕事で疲れ果てた状態で下の息子を保育園にお迎えに行ったところ、顔見知りのはずの先生から『初めまして、○○くんのおばあちゃんですか?』と言われてガクゼン(笑)。それ以来、もっと若見えメイクを研究しようと、キッチンにも小さな三面鏡を置いて、人から見られたときの自分を研究するようになりました。
メイクをするときって、鏡に向かっていちばんいい顔しているんですよね。でも他人は、気が抜けたときの表情や、斜めからの顔ばかり見ている。なるべく客観的な目で自分を見て、最も効果的に見えるメイクは何かを、日々模索しています。
この連載では、そんな日々のトライアルの中から生まれたテクニックの中から、一発逆転で若見えがかない、しかも自然に見える方法だけを厳選してご紹介していきます。
今回は、鼻クリップまでして、『えっ? そんなことまで?』と思われたかもしれません。
でもメイクには『こうしなければいけない』というルールはないのです。キレイになれれば結果オーライ(笑)。
皆さんもいろいろチャレンジして、キレイの可能性を広げてくださいね」
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク・モデル/広瀬あつこ 取材・文/小田ユイコ