自然のままにのばしたボサボサ眉は「散らかった印象」を与え、40代、50代の顔を野暮ったく老けて見せます。
簡単かつ失敗しないメイクで自然に整えましょう
MyAge、OurAgeをはじめ、数々のメディアのメイク特集で活躍する、ヘア&メイクアップアーティストの広瀬あつこさん。
広瀬さん自身が日々実践しているエイジングケアメイク術をご紹介する連載です。
広瀬あつこさんは、大人女性からも多くの指名を受ける人気のヘア&メイクアップアーティスト。
大人を生き生きと美しく変身させる天才です。
常識にとらわれない少し大胆なメイクテクニックで、エイジングが進んだパーツを修正し、無理なく若い印象に見せてくれます!
この連載では、「ちょっとだけズルい」目からウロコのメイクテクニックが炸裂。
顔立ちのエイジングでメイクに悩む大人女性の皆さんに「そんな手があったのか!」と大好評です。
今回のテーマは「散らかり眉」の整え方です。
カットしたり剃ったりするのが苦手な人に。
広瀬あつこさんが、放置した眉の形を整え、「すっきり洗練された眉」にするメイクを伝授!
このところずっと太眉ブームが続き、細すぎる眉は今のメイクの流行に合わず、カジュアルな服に似合いづらいもの。
ところが、カットしたり剃ったりするのを放棄して、ボサボサのままにしておくと、長い毛が垂れ下がったり、理想の眉のアウトラインからはみ出たりして「散らかり」がち。
「10代や20代なら生えっぱなしの眉でも生き生き感があって素敵なのですが、40代、50代になると毛流れに勢いがなくなり、おばあちゃんっぽい印象に。
ムダな毛は、やはりカットしたほうが美人に見えるし、若々しい印象になります」と広瀬あつこさん。
でも、自分の素眉を見れば見るほど、どこをカットしていいかわからなくなるもの。カットしすぎて細くなりすぎ、古くさい眉になるのだけは避けたい!
「実は、眉カットは素眉の状態で行うと、失敗してしまいがち。理想の眉を描いてから、はみ出た毛をカットすればいいのです。
私の場合、カットするのは1カ月に1回程度。ある程度伸ばして『散らかってきたな』と思ったらカットしています」
アイブロウワックスでなりたい眉を
描いたあとに、はみ出た毛をカット
左の写真は、1カ月ほど生えっぱなしにし、眉が「散らかった」状態の広瀬さん。
右の写真は、眉メイクの救世主アイテム、アイブロウワックスでフラットな中太眉を描いたあと、眉山の上のあたりと、下のアウトラインからはみ出た毛をカットした広瀬さん。
眉の中の濃淡が均一になり、ボサボサ感が解消!
洗練されながらも、作りこみすぎた感じがせずナチュラルな仕上がりです。
毛流れが整って勢いが出たため、目の表情も生き生きと見えます!
「私自身、11歳と7歳の男の子を子育て中なので、普段着はカジュアル。あまりに眉がきれいすぎると、カジュアルな服に似合わなくなってしまいます。朝はメイクにかける時間がないので、ワンアイテムで仕上がるアイブロウワックスは必需品です」
■プロセス1
アイブロウワックスで
毛流を整えながら眉を描く
眉メイクに苦手意識のある人に、広瀬さんがおすすめするのはアイブロウワックス。
「ペンシルよりふんわり、パウダーよりくっきり描け、ペンシルとパウダーのいいとこ取りをしたような便利なアイテム、アイブロウワックス。
まずは眉がまばらな眉尻から描き始め、そのあと眉の中央から眉頭へと描き進めると均一な眉に。
眉山の上や、眉の下側のはみ出たムダ毛は無視して、フラットな中太眉を描きましょう。
ワックスのセット力で毛流れも整うので、おばあちゃんっぽく垂れ下がっていた眉毛もすっきり。まるでもとの自眉が美しいような、自然な仕上がりです」
■ここで使用したコスメ
これひとつで簡単に眉メイク。汗、水、皮脂、こすれにも強い!
「毛が密に生えている人は、濃くつきすぎないよう、ブラシにアイブロウワックスを取ったあと、容器のフタに軽くこすりつけて量を調整しましょう。
ティッシュなどで調整すると、乾いてしまい、眉にうまくのらなくなってしまうことも」
広瀬さんが使用した色は、ほんのりとした赤みが優しい印象のベージュブラウンの 05。
●スウィーツスウィーツ アイブロウワックス 全5色 ¥770/シャンティ
■プロセス2
コンシーラーで、眉山の上や眉の下側の
はみ出たムダ毛を消してみる
コンシーラーをブラシに取り、眉山の上や、眉の下側のはみ出たムダ毛を消してみます。
「はみ出た毛はいきなりカットしてしまわずに、いったんコンシーラーで消して、仕上がりイメージを確認しましょう。
眉山のあたりのムダ毛は、ブラシを上方向から縦に当て、置くようにフィットさせると、描いた眉からはみ出た毛を的確に消せます。
眉の下側の毛も同様にブラシを下方向から縦にあて、ムダ毛に置くようにフィットさせます」
●ここで使用したコスメ
「この連載の第4回で目尻の赤み消しにも使用したコンシーラーです。パレットの下の2色の肌色に近いほうを使用しましょう」
●トーンパーフェクティング パレット 00 ¥4,950/コスメデコルテ
■プロセス3
コンシーラーで消した毛のみ、
1本1本、根元からカット
上のプロセス2で、コンシーラーをのせた毛のみ、眉用のはさみでカット。
「大切なのは、1本1本、根元からカットすること。抜いてしまうと、生えてこなくなってしまう可能性があり、眉の流行が変わったときに対応できなくなってしまいます。
はさみを、毛1本をとらえられる程度に少しだけ開き、刃を寝かせて肌に沿わせると根元からカットできます。
上手く根元からカットできず、黒い点のように見えてしまったときは、眉用のシェーバーを使って黒い点を処理してもOK。
ただし肌に触れるか触れないかの軽いタッチで剃りましょう」
──広瀬さんから、40代、50代のOurAge世代に向けてのメッセージです。
「眉をきれいに描こうとすると、ペンシルで描いて、パウダーでぼかして、さらには眉マスカラをして…と工程が多くなりがち。
でも、眉はあまり頑張りすぎず、素の眉をなるべく生かしたほうが、今どきで若見えします。
そんなとき、ワンアイテムでメイクできるアイブロウワックスは本当に便利。
また、ムダ毛の処理を、眉を描いたあとに行うことで、必要な毛を抜かずにすみます。
未知のアイテムにトライしたり、メイクの手順を変えたりすることも、この連載のテーマでもある『ちょっとだけズルい』メイクのテクニック。
今まで覚えたメイク法を、ほんの少し変えてみる勇気が、大人の美しさへの近道なんです。
40代、50代になると、今どきのメイクについていくことが面倒になって、あきらめてしまうこともありますよね。
でも、実は簡単で自然に若見えするメイク法は、いくらでもあるんですよ。
そんな『ちょっとだけズルい』テクをこれからもご紹介していきますので、次回以降もご期待ください!」
撮影/藤澤由加(人物) ヘア&メイク・モデル/広瀬あつこ 取材・文/小田ユイコ
【教えていただいた方】
大物女優や人気モデル、著名美容家から指名が殺到するほどの人気。さまざまな女性向けメディアの美容企画で、誰でも簡単に真似できて美人になれるメイクテクニックを紹介していて好評。著書に『スマイルメイク』(世界文化社)。 撮影/天日恵美子